第14話
朝9時。
すでに廃墟と化した建物の前に1台のシルバーの車と中型トラックが1台停まる。
「ここがサルカイドの拠点でした」
「でした?」
「サルカイドは先の事件で多くが非自然になった。ここはほぼ廃墟だ、政府もここは掃除に入っただけで調べていない」
4人は建物内へ進む。
窓が異様に少ない建物であった。
扉を斧で壊し、内鍵を開ける。
建物内はそれほど異様な光景ではなかった。
どこにでもあるプロテスタント教会のような椅子が並べられた部屋が4人を出迎えた。
だが、十字架があるであろう場所には石像が置かれていた。
ゾンビのように顔がただれた男性の石像だ。
「なんだ、ただのゾンビ崇拝かよ」
「まあ、予想はしていた。問題はどうやって今回の事件を起こしたかだ」
石像の横にある扉をから先に進む。
本が大量に並べられた図書室のようだ。
哲学から学問に関する本まで、あらゆるジャンルの本が並んでいる。
中でも幅を取っていたのは化学、医療の本であった。
「ここはただの図書室のようね、机もないし、次行きましょ」
奥に進む。
事務所だ。PC、金庫、電卓。
「トラックに積んでいる段ボールを取ってきてください。さっきの図書室の本とここにある資料を全部運びます」
それから大量の資料を運ぶ作業が始まった。
ハンセインは至る箇所の写真を撮っていく。
この作業は昼まで続いた。
大量の本と資料が運び出され、もぬけの殻となった部屋の次に進む。
大量のドラム缶が並ぶ。
写真を撮る。
「中身が気になるが、危険なガスの可能性がある。手を付けないほうが良いと思います」
それ以外にも、大量の火器が保管されている部屋、倉庫、研究室のような場所があった。
いずれも資料は回収し、不明なものには手を付けず写真に収めた。
夕方ほどになり、大体回収できたところで外に出ようとする。
「誰だお前ら」
教会の部屋で、謎の男と会う。
特に変な恰好ではないジーンズに白いパーカーを着た男性だ。
「サルカイドの奴か?」
「それを知ってどうする?」
「知りたいことがある、8か月前のエピデミックのことだ」
男は椅子に座る。
「すまないが俺は何も知らないよ。たまにサルカイドの集会に参加するだけの人だ」
「いつもどのような集会をしていますか?」
ハンセインはメモを取り出し、真中の通路を挟んだ反対側の椅子に座る。
「まあ、最初に小難しいことを言われて、あとは知り合いとしゃべってるだけだよ」
「今日来たのは?」
「ああそうだ、忘れ物をしたんだった。」
男は立ち上がり、入り口近くにあるクローゼットを開ける。
灰色のコートを取り出す。
「あとは質問あるかい?」
「最初の小難しいことについて。どのようなことをおっしゃっていましたか?」
「まあ、非自然とは悟りであり、自然現象である死を克服するこそが非自然である。と」
「つまりはゾンビとなること、ですか」
「そうらしい、俺はあまり知らないけど」
「あなたはなぜこの集会に?」
「いろんなところに行っている。そういうコミュニティが好きなんだ。ほかにもプロテスタント、カトリック、仏教、イスラム、KKKにも行ったことがある」
男はそう言うとこの場から去っていった。
「特に収入はなかったですね。私の作業場に行きましょう。
4人はその場を去り、ハンセインの作業場に向かう。




