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幼馴染と初恋の美少女に迫られて困ってます?!  作者: ちーずとーすと


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ep.12 双子の密談

 ある日の放課後、俺はとある人物に呼び出され学校の最寄りから二駅ほど離れた洋食レストランにやってきた。


 今日は莉音さんは仕事で、詩音さんは友人と遊びに行く為2人とも20時に帰宅する予定らしい。我が家としては珍しくバラバラに夕食を取る機会になったのだ。


 呼び出し相手はまだ来ていないようなので俺は案内された奥の窓際の席に座って待つことにした。


 「さて。兄妹問題、どうしようかなぁ」


 俺と陽鞠は双子の兄妹で、その俺は親の再婚によって篠崎姉妹の兄になった。つまりこれは陽鞠にとっても妹が増えたも同然なのである。


 この問題については特に隠す理由もなかった訳で、完全に俺が伝えるタイミングを失ってしまっただけなのである。


 そもそも転校の話を聞いたあのファミレスの時に言っておけばよかったものを、、、と後悔している暇は無いのだが。


 そして極め付けは陽鞠と莉音さんはポピキャンの同期で仲が良い。友人がいきなり妹になる、あるいは姉になると知ったらそれこそ混乱してしまうのではないか。そんな不安が過る。




 そうこうしているうちに店のドアが開き鈴の音が鳴った。そして水高の制服を纏った1人の少女がこちらに向かって歩いてくる。


 そう、今日の呼び出しも我が妹である夏川陽鞠からのものだったのだ。


 陽鞠はよっと手を上げると向かいの席に着いた。


 「ごめごめ、結構待った?」


 「いや、俺もさっき来たばっかりだよ。で、今日はどうしたんだ?」


 すると陽鞠はお腹をさすりながらメニュー表を手に取り悪戯っぽい笑みを浮かべる。


 「まぁまぁ、兄貴。腹が減っては戦はできぬというじゃないか〜」


 「俺たち今から戦うのか?」


 そんな軽口を叩きながらお互いにディナーセットを注文したところで陽鞠が話を切り出した。


 「今日は水高の制服着てきたんだよ〜?なんか言うことない?」


 わざとらしく目をぱちぱちさせて上目遣いの妹。コイツ本当に俺と双子なのか疑うくらい性格が違いすぎるんだよなぁ。


 「ん、特には、、、」


 「オォイ!!!そこはお世辞でも褒めとけよクソ兄貴!!」


 「冗談だよ。良いんじゃないか?前のよりそっちの方が陽鞠っぽい」


 「でしょでしょ?もっと褒めて?」


 コイツは一度褒めると調子に乗るのでもう褒めないことにする。


 「それで? まだ何か話があるんだろ?」


 すると陽鞠はカバンから一冊の雑誌を取り出した。


 「実は今度この雑誌の表紙やることになったんだよね〜」


 それはまだ俺たちが一緒に住んでいた頃、陽鞠がよく読んでいたファッション誌だった。流行りの女優やアイドルがたくさん載っている為、穴が開きそうなほど見せられた記憶がある。


 「マジか!!凄いな!!お前これずっと見てたやつだろ?」


 得意げに胸を張る陽鞠。つい先ほど褒めないと誓っておきながら早速歓喜のあまり讃えてしまった。


 「まぁ本番はメンズモデルの子とペアなんだけどね? いずれ1人で表紙飾りたいなぁなんて思ったり」


 「きっと親父も喜ぶだろうな。本当におめでとう!」


 「ありがとう、なぎちゃんっ!でもパパ、私がアイドルやってるの知ってるのかな?」


 「あ、確かに。ポピキャンがブレイクしたのって確か今年だったよな、、、」



 親父は去年の頭から海外を拠点に活動している。その為、ポピキャンが流行り始めた頃にはもう日本にいなかったのだ。それに加えて親父と陽鞠は訳あってここ数年間会えていない。これを踏まえると知っている可能性は限りなく低い。


 「俺から伝えておこうか?」


 すると陽鞠は首を横に振って答えた。


 「いつかパパが気付いてくれるまで内緒でいい!」


 その陽鞠の心情を汲み取り俺は内緒にしておくことに決めた。



 そしてまたも完全に兄妹問題に触れるタイミングを失ったところでお待ちかねのディナーセットが運ばれてきたので俺たちはたわいも無い話をしながら食事を楽しんだのだった。




 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 時刻は20時半。私たちは家に着くなり、とある会議を始めた。


 「ねえねえ、お姉ちゃん。お兄ちゃん、最近ちょっと変だよね?」


 ソファでくつろぐ姉、莉音に私は問いかけた。仕事終わりで疲れているのか眠たそうな顔をしている。


 「そうかな? しーちゃんはどんなところが変だと思うの?」


 「最近やけに携帯隠すし、放課後も行き先言わずにどこか行っちゃうしさぁ。何か隠してるのかなぁ。」


 私は長いため息をついた。すると莉音が突拍子もないことを言い出した。


 「お兄だって健全な男子高校生だし、隠したい事のひとつやふたつはあると思うよ?」


 莉音は冷静だ。いや、正しくは冷静を装っている。よく見ると表情が固まっているのだ。そして多分私たち双子は共通認識としてある可能性に気づいてしまった。


 「「もしかしてなぎくん、彼女できた、、?」」


 そして完全に正気を失った莉音が勢いよく喋り出す。


 「そ、そんなまさか、、、お兄は確かにカッコよくて優しくて家事もできて頭も良くて背が高いけど、、、ってモテない要素がない!!」


 つられて私も正気を失ったように部屋中を走り回ってしまった。


 「これは大事件だ、、、!!」


 そしてその後、帰宅した兄が焦りながら気絶した2人を部屋に運ぶことになるのだった。

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