8 うさぎのライミふたたび
「あたしはうさぎのライミ、よろしくね」
謁見の間から出た僕は、うさぎのライミと会う。僕にとっては二度目の初めましてだが、ライミにとっては初対面だ。
「僕はマサル。よろしく」
服を着て、二足歩行で歩く、喋る白うさぎのライミ。彼女が僕の案内役だ。
ライミと共に城を出ると、そこは中世ヨーロッパ風の街並み、行きかう人々の中には亜人が混ざっている。
「まず、あなたの適性を見るわ」
街の中を歩きながらライミが言う。
「ああ、適正ね」
あたりを見回す。王宮の兵士の姿は見えない。今逃げ出して、ライミさえまけば、僕は自由の身だ。魔王討伐に行かなくてすむ。
「適性が戦士なら、パワータイプでバトルハンマーなどの重い武器を扱える。剣士は剣の能力が高い。魔法使いは攻撃魔法が使えて、僧侶は回復魔法ができる。狩人は弓が上手で、忍者は隠密行動に……あっ、マサル! どこへ行くの?!」
ライミが話している途中で僕はいきなり走り出した。走りながら振り返って手を振る。
「ごめんねライミ! 僕は魔王討伐なんてまっぴらごめんなんだ!」
「待ちなさいマサル! このスイッチを押すわよ!」
ライミは片手にスイッチのようなものを持っていて、もう片方の手でそれを押そうとしている。何のスイッチだろう? 気にはなるが、僕は走るのをやめなかい。ライミがそれを押すことで何が起ころうとも、魔王討伐にだけは絶対に行きたくないのだ。
ライミの赤い目が悲しそうに僕を見ている。チクリと心が痛んだ。
あきらめたようにライミがボタンを押す。すると、僕の耳元で警告音のような高い音が鳴り響いた。
ピー、ピー、ピー!
「なんだ?」
次の瞬間、僕の頭が爆発した。僕の頭部は肉片と化してあたりに飛び散って、近くにいた人たちの顔や服を赤く汚した。




