2 案内人、うさぎのライミ
「あたしはうさぎのライミ、よろしくね」
「僕はマサル。よろしく」
直立して二足歩行で歩く喋るうさぎのライミが僕の案内役になった。白い毛におおわれ、目が赤い。そして一丁前に服を着ている。うさぎの手でどうやって服を着るのだろうか?
ライミに案内され、僕たちは城を出る。そこには中世ヨーロッパ風の町が広がっていた。行き交う人々の中には、耳のとがったエルフや、オオカミなどの獣人、爬虫類の皮膚をしたリザードマンもいる。
「まず、あなたの適性を見るわ」
街の中を歩きながらライミが言う。
「適正?」
「適性が戦士なら、パワータイプでバトルハンマーなどの重い武器を扱える。剣士は剣の能力が高い。魔法使いは攻撃魔法が使えて、僧侶は回復魔法ができる。狩人は弓が上手で、忍者は隠密行動に特化している。あと、何のとりえもない遊び人ってのもあるわ」
「へえ、僕はどのタイプなんだろう?」
「冒険者ギルドで水晶玉を使えば、あなたの適性がわかる」
冒険者ギルドの建物に入り、カウンターの受付嬢に僕の適性を見てもらった。
「勇者マサル様、あなたの適性は……」
美しい受付嬢の表情がわずかにくもる。
「僕の適性は?」
「……遊び人です」
「ガーン!」
僕はその場で膝から崩れ落ちた。事の成り行きを見守っていた冒険者たちから失笑が起こる。
「今回の勇者も期待薄ね」
「今までの勇者の中で一番弱そうだ」
「すぐ死ぬだろうな」
「落ち込まないでマサル。たとえ遊び人でも、異世界から召喚されたあなたにはユニークスキルがあるはずよ」
ライミが僕を励ましてくれる。
「そうか、僕にはユニークスキルがあったんだ。受付嬢さん、僕のユニークスキルは何?」
「あなたのユニークスキルは『タイムループ』です」
周りの冒険者たちがざわめく。
「タイムループだって? 聞いた事ねえな」
「どんなスキルかしら?」
「どうせ大したことないだろ」
僕は首をかしげる。タイムループという言葉はどこかで聞いたことがあるような気がするけど、思い出すことができない。受付嬢もライミも、タイムループの意味を知らないみたいだ。
僕とライミは冒険者ギルドを出て鍛冶屋へ向かった。




