神楽研究所01
「鈴木朱美君、吃驚したよ。急に鬼美の名前を聴いて、そしたら栄養失調と言うじゃないか。君は昔から頑張り屋だったからな、今回は何をテーマの研究なんだい?」
「は、博士、私の子供達は大丈夫ですか?」
「心配いらんよ、二人は無事じゃ」
「男の子はぐっすりねむっておるよ、女の子の方心配じゃ」
「!?」
「カマイタチでも会ったのかのぉ、右腕が切り傷まみれじゃ」
「ほう、異世界に行ってた? 」
「異世界………」
異世界、朱美が言い出した言葉だが第三者から言われると途端に、違和感が増す。慥かに、朱美はあれは異世界だったと真剣に思っている。理不尽に摩訶不思議な世界だった訳では無い。あの世界にはあの世界なりの秩序はあったと思う。不条理な不文律に支配されてた訳でもない。それでも、朱美は異世界の中に居た。
━━━異世界。
甚だ異世界と云う言葉はいい加減なこ言葉だ。見知らぬ場所に行けば、文化は違うし、人種も違う、言語も違う、度に出るだけでさえ、異世界に放浪したと言える程、異世界の定義にあっているのだ。本来は日常的な会話に登場する言葉では無い。これは、厳密な語義を置き去りにして語感だけで罷り通る言葉なのだ。言葉は生き物だからその時代に合致すれば十分機能する、博士が自然に異世界と云う言葉が日常的に出てきたのなら現代では異世界と云う語は市民権を得ているのは面白いと朱美は思った。
が、「面白いほど面白くない」は程度がはなはだしい様子を表す慣用句ですは同じ言葉の肯定と否定がぶつかるため、厳密には矛盾した表現(自家撞着)であり、少し変に感じられることがあります。
興味深い話じゃのうと、博士は点滴を触りながら、クルリと身を翻すと、あと一時間後に点滴を交換しに来るわそん時に話を聞かせてもらうわい」
「博士は今どんな研究をしているのかしら?」
「今は仮想現実を主にやっているね」
「進捗状況はどんなかんじですか?」
「「まあ、まったく、日酷いものだよ。電圧の影響で幻覚を人は見る事はわかっているが、それだけだよ」
「vrmooVRMMOまでは道は遠いね」
「VRMMOOの定義にはって事ですか?
「君は鋭いね」
「た。 ...、「仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインだからね」
「幻覚だけならオフラインだよ」
「参加者全員が一つの同じ夢を見るのですか? そんな事可能ですか?」
「僕はね、可能だと思っているよ。でもピースが足りない」
「ピースですか」
「ヒントは意識とは何かだ」




