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赤い手紙5vs鬼羅

ドンっと大きな衝撃音と、まばゆい光。稲光だ。一瞬闇が反転して白茶けた神木の木目がハッキリ見えた。

それは瞬く間に消えて残像を残して木目は暗闇に吸い込まれていった。

雷鳴が聴こえた。稲光の中、ストロボのように、複数人の顔が、浮かび上がる。

「鬼美! 侵略者だ。手前(ネェネェネェ)はママを守れ!敵は四人だ」その中で稲光の光に反射する刃を鬼羅は見逃さなかった。瞬時に、鬼羅はナタを刺してあ場所へ移動してナタを手に取った。

「我はウインダス領のザンゲツフォンフロッグ」

「驚きだよ。まさか此処で暮らして居たとはな……」

「通りでいくら待っても復活しない訳だ」

「お前らを殺して贄と成す」

「オレ達殺すだと?」

鬼羅の怒りは瞬時に膨れ上り髪の毛が逆上がって、大男にキッと睨む眼光を向けた。

フ鬼羅はフロッグと名乗る大男の槍の攻撃を躱す、躱す。

「この童ガキ、俺の攻撃を躱しやがる、くそっ」フロッグは上段からの振り下ろしに、鬼羅はナタで受け止めた。鈍い音が響いた。槍が大きく撓しなる。

「n何だこいつの力は、びくともしねぇ」

鬼羅はナタという短い刀身で槍の刃先を正確に受け止めて居た。

「ネェネェの方は終わったようだな」

「此方も早く終わらせるとしますか」

朱美はよかったわと安堵を吐露した。原始的システムはちゃんと稼働していると継いだ。朱美の心配も当然だった。鬼羅には傷みを感じない、無痛症なのだ。ある時、鬼羅が火の魔法を唱えたとき、

肉が焼けた匂いががした。嫌な感じがした鬼羅の掌が火傷で水脹れし、皮膚が焼き爛れた。見ていて痛々しかった。当の本人はどこ吹く風か茫然として居た。火傷は薬草で綺麗に完治したが、痛みが無いのことが僥倖かどうか、判断しかねなかった。痛みは危険な味方だこんな厳しい環境では痛みによる恐怖 により、パニックになれば、助かった状況も助からない可能性もあるからだ。先天性無痛症の人間では痛みも苦痛も感じない為恐怖を感じないので大抵は元気一杯で上機嫌である。だがこうした気苦労のない呑気なたいども、かず多くの行動異常の一つであり、お腹が空けば平気でその辺の雑草を食べる。朱美は鬼羅がラットの死骸を口にに入れそうになったのを慌てて静止したことを思い出す。火に焼かれてさえも瞬間に手を引っ込めない為火傷する。痛み及び痛みの教える恐怖のお陰で、私たちは健康に生きられる環境を追求する事ができるのである。

だからこそ、朱美は鬼羅に起こった現象に安堵したのだ。超人的な力は別に特別ではない激しい恐怖や怒りに駆られると誰でもこんな力が発揮する。肉体が不安、恐怖反応を示す時の重要な特徴は、筋肉が尋常では無い力とスタミナを一気に爆発させる準備をする。有り体に云えば火事場の馬鹿力だ。大男の攻撃をたかが5、6歳の体格の鬼羅が住いなせるのはこの為だと朱美は思うと同時に良かった恐怖が有るのだと親心にも安心したのだ。

「何だこのガキ冒険者ランクゴールドの俺が攻め切れネェ」

大男は隻眼で黄ばんだ歯を除かせた。

「嬉しいねぇ、童オレ達の傭兵団にはいらねぇかい?」

「傭兵?」


「今は戦時中だからな。危険は伴うが金はがっぽり稼げるぜ」

「アンタその眼……」

フロッグは左眼を押さえて、チョイとヘマやっちまってな、とまた黄ばんだ歯を見せた。

「成る程、あ・れ・やってみるか」

「コイツ左からの攻撃が多い……」

「隻眼だから視界が晴れない、左側は隻眼の為、も黒い(モヤ)のせいで解像度が低いのは承知している。だからこのガキは左を拠点に攻撃を仕掛けてきてるのだろう、このガキ戦闘慣れしてる?

「唯、だが、童がフロッグは時々素人みたいな攻撃もあるのに気づいて居た。このチグハグさ、この何とも言えないズレ、この違和感がガキの実力を未だ測れないでいる。フロッグは左側に強烈なな感触をかんじた。左側、肩から胸部に掛けてガキがしがみついて居た。笑顔が不気味だった、慌てて槍を回して鈍い音共にガキを吹っ飛ばす様に振り解く。ガキがわき腹を抑える。この槍は特注柄は硬い、奴の肋骨の何本かわ持っていっただろう。とほくそ笑む。

「いってえなー、手前(てメェ)ーーー」

フロッグはガキの云う事を信じて居なかった。人間痛い時には痛いと申告しない悶え苦しむだけだからだ。コイツ遊んでるのか、とフロッグは疑問に思う。

ガキが視界から消える、フロッグはフロロッグは左側から消えて行くガキの姿を追う様に視線を動かすと、ゲェと、驚きの声を上げる胸部と肩にしがみつくガキが視界に捉えたのだ。ガキは舌を突き出ストフロッグの顔をネットリと舐め上げて云った。

手前(オマエ)、恐怖をかんじてるな?」

(いや)、オマエというよりもお前達と言ったほうが正しいか?」

「オマエ達はこの領域に来てから、怯えていいる」

「一体何に怯えている?」

「此処は神聖な領域だ」

「それは知って居るママから聞いてる」

「オマエ達の怯えは尋常じゃない」

「此処は何なんだ……」

「此処は神を奉るばしょ」

「そうか、確か贄とか言っていたな……何の神だ?」

「蛮神ガルーダ!」

「三国の戦闘に中に、魔族達が急に現れて混戦と化した其れを鎮める為に、蛮神の復活しかない!」


鬼羅は隻眼男の黒い靄モヤから姿を消す。そして隻眼男の死角外から丁寧に攻撃を仕掛けていく。

「ネェネェの戦闘は終わったみたいだな、そろそろこっちもおわらせますか?」

左からばかりの攻撃だから馴相手は攻撃に馴化する。それは鬼羅にも言える鬼羅は思ったはずだ、左からの攻撃に合わせれるようになってもこの相手なら安心だと、まだ余裕があるのだろう。

勝敗はスキルの強さにあらず非、スキルの多さ非、勝敗は己の信念に依ってきまる。

もしコインを7回放る投げ裏が六連続出たら、七回目の結果はどうなるだろうか。答えどの可能性になる確率は同一である。コイントスは毎回独立した出来事だ。この宇宙は、過去の出来事が未来の出来事に有利或いは不利に働くようには出来ていない。だが、相手の心象はどうだろうか? そろそろパターンを変えて来るのでは無いか? 否が応でも邪推する、その隙を作る。考えれば考える程に沼に嵌って行く感覚、左からの攻撃に馴化し、思考は単純化され、朧気になってゆき、麻痺して行く。何ヶ月も双子の稽古で、鬼羅の前運動野は闘いにかんする運動指令に多くを更に低次の第一次運動野に委ねるようになった。闘いが鬼羅の一部になっているにだ。初心者はじぶんお意図を眼の動きやボディーランゲージであからさまに伝えてしまう。鬼羅にはそんな初心者臭さが無くなっている。この戦闘で成長していっている。

「このガキ嗤っていやがる、己が成長していってる事を自覚しているのだ」

フロッグは厄介だと感じた、こいつは間違いなく戦闘狂だ。何度かこ云う手合いと闘った事があるが一番闘いたく無いタイプだった。このタイプはあいてに一矢報いる為ならどんなに自分が不利な賭けでも平然と行ってくる野方だと、フロッグは左眼の隻眼を触った。この傷をもう出す、相手は上半身斬られ乍も、筋肉を硬化して我動きを封鎖し左眼を斬った。愚かだと思った己の死と引き換えに何意味があると云うのだ。そんな事は相手にとってどうでもよかったのだろう。死に様はしてやったりと笑って居たのだから。だからフロッグは一撃一撃必殺を込めて剣を奮奮って居た。油断はするなと脳では警鐘が鳴っている。だから、体力は恐ろしく削られていた。

漢は疲労と何時か右から来るのではないかと猜疑心の葛藤で鬼羅を見失う。鬼羅は単純にしゃがんだだけだったのだが、違った景色に男は狼狽えた。しまった左ばかりは囮だった今度は右からかと、男は右に視線をむけるがそこには鬼羅の姿はない、下からヌゥと浮かび上がる鬼羅、「ボア」、瞬間、炎が眼前炎が視界を一瞬だけ隠した。直様先さっきの景色に戻る。鬼羅の姿は無い。では、何故人は暗黙の了解を疑わないのだろうか。ここで云う暗黙の了解はフロッグ自身が、戦闘のベテランで童より、経験則が違うと━━経験則的にこ童よりじぶんの方が強いと経験が正しいと信じてるのですから。脳がどのように馴化じゅんかを起こすのか理由を問わねばならない。

理由は簡単だ。思考は高くつく、それは脳活動をひつようとし、エネルギーを消費し、エネルギーは限られている。更に重要な事は考えることは時間と注意を他の仕事から奪う。確実とわかっている事実が多ければ多いほど、目の前の戦闘や相手に集中出来る。考える時間が少ない程、戦闘は楽なのだ。大人と子供の喧嘩どちらが勝つかなんて当然の帰結だ。舐めている訳でない。考えることもない、当然おことだった。人は理由もない事に疑問を抱かない。一瞬の炎に、鬼羅が消える。また下か? 下方に鬼羅が居ないことを視認する、今度は右からか? 居ない! 前方向見渡すが、鬼羅は何処にも居ない!

人は見えているようでみていない。観ると云うのは視神経100万本によって見ている。だが、デジタルで言い換えれば、デジタルカメラ百万画素程度しかない。そして視神経が集まるって居る箇所は見えない。俗に言うコレが盲点だ。

充填フィリグイン()現実世界はその細部に至るまで余さず見るには複雑過ぎるのだ。小石だらけの海岸で個々の小石や複雑模様の絨毯の折り目までハッキリ視認している訳では無い。網膜にはそれをするだけの充分な細胞数の細胞は無い。一部を見て残りは補うのだ。脳は個々の小石など認識しない。見て居るのに見えていないのだ。極論を云えば、私達は見たい現実だけ見て、他は仮想現実を見ている。

「馬鹿な何処にも居ない消えたッ!」

フロッグは左側を注視し、童を認識しようとした。刹那、何も無い空間から、破り飛び出るように鬼羅が現れた。

「な、何にぃーにーーー!?」

フロッグはさけび声に近いお驚愕反応の所為せいで判断、反応が遅れた。鬼羅は飛び込んだ勢いそのままぶったっ斬った。

「まさか瞬間移動テレポーテーションだと? 何故ガキがそんな強技能スキル」

フロッグは思う、こんな強技能があるなら何故最初から使わないのだ。

フロッグはなたで袈裟斬りされた箇所を抑えた。鬼羅は前から気になってたカフェにフラッと入って行く感じでフロッグに近づいて行ったなんなら鼻歌混じりに、呑気なもんだと明美はおもった。鬼羅の困った行動が出たこんな時に、鬼羅はゆっくりフロッグの隣りにすわった。フロッグは大怪我を負い膝を着いて座って居た。フロッグの貌に接近すると顎を持ってフロッグの頬をネットリと舐め上げる。

心を読む事を最初から目的にした技術がある。ポリグラフ、つまり嘘発見器だ。警察とは違って、科学者は、嘘を発見するのでは無く真実を発見する為にポリグラフを使う。ポリグラフは皮膚に弱い電気を流した際の電気伝導度(電気抵抗)の微妙な差異を検知する。その精度は原始的システムによる前意識の情動処理による。嘘発見器と云うより恐怖発見器と言った方が良いだろう。中程度の危険でも原始システムは自律神経系の反応の引き金を引く。脈拍数が増加するの反応の一つだ。もっと確実な反応は発汗だ分泌される汗は気づかないほど微量かもしれないが、塩分を含む液体は僅かでも鬼羅にとって十分だった。


「手前オマエ、嘘を付いているな」

空気が震えて居る、この領域全体が恐怖に染まっている。明美はこれからのおこる現象にそっと技能《力への意思》を発動させた。


━━━恐怖は、伝染、するッ!


空気異常なまでに震え出した。この神木を中心にこの領域を覆うようできた半球状の蔓が全方位からの伸縮して残りの傭兵団を絡み取って、入り口に人間、百舌鳥の早贄が完成した。蔓は棘を食い込ませ、血を吸い尽くす。見る見るうちに人間が形骸化していった。領域内は蔓に染み込んだ朱で真っ赤に染まる。神木より手が伸びる、次いで顔が浮かび上がった。

額には二本の枝角が生えており田。精霊体の蛮人に人間的な特徴を見いだすのは自分が人間の目で物事を観ているからだろう。皮膚から細かい鳥の羽根が生えて来る。蛮人は顔を歪ませる、散漫な苦痛と云うよりなにかイラついている感じだ。

「よくぞ妾を復活させた、狂信者達(テンパード)よ、願いは何ぞ?」

「我が領土ウィンダスに蔓延る愚か者共を駆逐してほしい。

「あいよ。解った」

蛮人はそう云うと、恐怖が極限まで膨らむと物凄いおぞましい恐怖の叫びを発する。まるでその声は絶叫と同時に、直径5メートル程の翼が生えると大空へ舞った。その勢いで翼に絡まった蔓を根こそぎ抜き取り、優雅に空を旋回するとウィンダスの方角へ飛んで消えて行った。この領域は役目を終え、鶴も無くなり禿げ上がった。

神木から一玉の霞がポトリと落ちた。

世界は澄み渡っていた。

鬼羅は落ちた霞を拾いに行って大慌てで大声で叫んだ。

「ママ大変だよ! 薬草が枯れてる!」

神が不在だから朱美は疑問位思うが、鬼美が心配だ、血出血し過ぎている。この領域を囲む結界はない、朱美はそう考えると直ぐに行動を起こした。子供達二人を両脇に抱えて見える

電柱に走り出した。路地を抜けたところで、通りすがりのサラリーマンに助けられた。

「おいどうした大丈夫か?」

「通り魔でも会ったのか? 血だらけじゃないか」

サラリーマンは携帯電話で携帯電話で、救急車をよんだ。

十分後、朱美と双子は救急救急車の中で、救急隊員電話している。

「母子、子供はひどい出血、母親は栄誉失調。もう一人の子は熱発あり」

「先輩、患者三名受け取り拒否です」

この時、不運な事に、日本はコロナの真っ最中だった。

「駄目だ何処も受けてくれない」

「あの、神楽研究所なら受けてもらえるとおもいます。鈴木朱美この名前を出してくれればいけると思います」

「神楽?そんな病院あったかな?」

「先輩一応、《救急指定病院》に名前が載って居ます。あります、少し遠いですが……」

朱美達は()()()()()へ運ばれた。


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