赤い手紙侵入者vs鬼美05
鬼羅と鬼美は毎日の日課である双子稽古をしている鬼美は左で構える、鬼美の利き腕は右であるにも関わらずだ。1週間前に、鬼羅との稽古時に右肩を負傷して右腕が未だにつかえないでいのだ。ママから、右腕を使う事を禁じられている。使いたくても使えないのだ。不器用にぎこちなく左腕の動作はぎこちない。それでも一日毎に馴れてラクになる。適応し、学習している訳だ。腕が動かせない最初の数日は、始終バランスを崩してはいたが今では違った歩き方を覚えて、新しい平衡感覚を習得した。異なる行動様式、異なる習慣が生まれたのだ。この特定の領域では、異なるアイデンティティーを獲得したと云っていい。こうした一適応の一部は考えたり、計画したりして得たものだし、試行錯誤して学び取ったものだが、最初の週は左腕は傷だらけだった、大半は自分でも分からないプログラムの組み直しや適応によっていつの間にか達成されたものである。普通に歩くと云う事がど云う事か意識もせず、また考えても解り用が無い様に、順調にいけば来週末までに、自分の身体イメージ左腕左構えがもう一度組み込まれ、再適応させ、また充分かつ自然に使えるようになり、器用な左利きの人間として復帰できるだろう。
明美は思う。だが、傷口が癒えるのとは違って、こんな場合には単純に自然回復すると言う訳にはいかない。筋肉と姿勢との関連を覚え直し、順序とその全体を統合する発見して学ぶと言う全く違う新しい治癒の道を辿る日筈d。もし利き腕が使えない場面がれば、代替えの左腕をつかえると云う選択肢が在るか無しで、鬼美の生存率が劇的に変わるだろう。この子達にはこの厳しい世界でも、立派に生きていって欲しいと思うのは母親の我儘だろうか。適応の仕方は人によってちがうよとママは言った。慥かにそうだろうと鬼美も思ったが、この弟鬼羅に関して言えば特殊だ。技とは、トライアンドエラーを経て得ていくものだが、こと鬼羅は違う。過程全体がより効率的で自動的なのだ。朱美はそんな事は別段不思議な事で無いと分析する。父親はこの世界の住人で鬼羅は父親のDNAを色よく受け継いでいるのだ。あの強姦者は名のある戦士だったのかもしれない。では、技能一般がどのように生まれてくるにかを説明したい。ピアノを練習しているとしよう初心者の時は、アナタの指を表象する脳部位貴方の指の地図が有るが新しい接続を沢山作り、演奏を目覚ましいものにする為に接続パターンを見つけて強化する。練習を止めると、指の地図は順応を止めて元の大きさに戻る。しかし練習を続ければ、地図に構造的な変化が表れ、新たな段階に至る。こうなるとそれまでに創った新しい神経接続の多くはもう必要無くなる。固定化が起きるのだ。技能は基本回路にしっかり組み込まれ、過程全体がより効率的で自動的になる。鬼羅は父親よりおおくの地図を受け取って居るのだ。明美はは双子に父親の存在を明かしてない、まだ心の中決着が付いてないのだ。
鬼美は戦闘中感じてた。鬼羅は戦闘のセンスの塊だ。天才と言って良い、それでも勝率は五分五分だった。鬼美は鬼羅の悔しがる顔を思う出して微笑む。あのきょとんした顔、鬼羅は自分の才能に胡座を掻いて居るからまけるのだ。あんあ簡単な騙し打ちに引っかかるのだ。きっと騙しがバレたら鬼美は負け続けるだろうか、でも、ママは言った。狡猾に生きろと、バレたらバレたでまた違った騙しをかんがえるのみと、その日が来る事を待ちどうしいという様に再度ほほえんだ。
朱美は思った。鬼美は槍漢に攻め倦ねていると。
「実践と稽古は違うか良い勉強になる」
「鬼羅とは違う拍子だ。考え方が違うのか、それとも単純に得物の有無の差か。
「戦闘は実践が一番勉強になるな」
「我はウインダス領のザンゲツフォンフロッグ」
心理的原則に依れば物理的現実が知覚と齟齬を生じる時に錯覚が生じるとされる。槍男の攻撃にズレや時槍漢の姿が二重に見える瞬間が有る。鬼美は考える、この現象はきっと相手の技能が発動する予兆なのだ。地面に這う様な構えは次の攻撃の予備動作なのだろうと、鬼美は此方の攻撃を態と誘っているのかも知れぬとも考える。
相手のスキルがわからないまま闘うのは危険だ。予兆は解るが、何時撃つかは本人次第で確実では無い。確実なタイミングでコチラもスキルを発動させれれば、勝機がある筈だ。鬼美は悪戯な笑みをした。
「鬼羅で試したアレをやるか」
鬼美は左に動くと見せかけて、軸を入れ換えるだけで、相手の動きをじっと見極めると云った闘い方に終始していた。弟からママを護れといわれた手前行動が制限されている。ママは神木の陰に隠れてる。相手の視線が向かないように立ち位置を微妙に調整しているのだ。そのかいあって、あいてが、ママの背後にくるようになった。突き出された槍を払いながら、掌底打を撃ち込んで、相手を神木の下へ押し込んだ。勝負は一瞬、
「ヨッシ!行くぞ!」
朱美は鬼美と槍男が近くにいること気付いた。鬼美とおとこと神木を見比べて、鬼美がこれからしようとする意図に気づいて神木から顔を除かせる邪魔にならない様に姿勢を正した。
高度に発達した技術は技能と見分けがつかない。
━━━鬼美は技術で、槍男を騙そうとしているのだ。
鬼美の乱撃はや槍の柄に防がれた。鬼美の脚は痣だらけになった。硬い槍を折ろうと思ったが、これでは此方の脚がイカれちまう、と鬼美はほんの少しだけ、相手と距離を広げて、嗤った
。
「何故笑う?」
「そりゃ、手前強いからさ、これで条件は揃った」
「来いッ!」
槍男は地面を這うような構えを取った。
パース(透視図法)」とは、平らな紙に奥行きや立体感を表現する遠近法のことです。奥に向かって収束する「消失点」と、目線の高さである「アイレベル」を基準に線を引くことで、自然で説得力のある空間を描き出すことができます。
背の高いビルでは上に行く程鋭角になる。もし、二つの傾いたビルの絵を並べるとしよう。今の槍男の視点では視覚系は神木と鬼美の立ち姿が同じ情景の一部として捉えているだろう。神木の輪郭は奥に行く程互いにに近付く様に見える。隣り合う鬼美と神木の立ち姿は垂直に空に向かって伸びる為神木と鬼美の立ち姿イメージが互いに近づかない為、視覚系は神木と鬼美が離れてると呉思考する。槍男はそうしたイメージをみる! つまり、鬼美が一瞬でも、鬼美の体勢が神木よりも傾き、体幹が崩れたように見えたなら高度に発達した技術は技能と見分けがつかない。そして、鬼美のの分析通り相手が強者なら、高度に発達した技術は魔法と見分けがつかない。この隙を見逃すだろうか、否、見逃さない!
「技能危機感を発動する!」高度に発達した技術は技能と見分けがつかない。
「奥義《《一閃》!」
槍が一瞬光ったきがした。
「な、何だ?スローモーション中だと云うのにこの速さは?!」
と、急激な気圧変化と断熱膨張によって空気中の水分が一瞬で凝縮し、機体の周囲を覆うように円錐状の白い雲()が現れ、遅れて、: 地上には「ドォーン!」という凄まじいソニックブーム(衝撃波)が到達。槍を辛うじてかわすと流水の様に相手の懐中に飛び込んで、掌底打を相手の鳩尾に打ち込んだ。だが懐に飛び込んで行った際に、白い雲に肌を切り裂かれ、血流血した。
「危なかった、スキルの発動があと一秒でも遅くても早くて心臓を貫かれていた」
鬼美は負傷して血がドクドク流れる脇を強く抑えて、ぶっ倒れた。
槍男の鼓動は暴れ或いは活動しなくなり、死んだ様に顔面蒼白になる。呼吸が苦しくなり、鼻腔がひどく膨張する。喘ぎ、唇が痙攣喉が詰まって胸を掻きむしる。カッと見開いた目玉が飛び出し恐怖の対象に釘づけになる。。
「馬鹿なこんな小娘に、技能と態の発動時間をこの俺が誘導されたと云うのかッ!」
「な一閃をかカウンターで、お前達は何者だ? 「それを知りたいのは私達の方よ」
槍男は思った
皮膚から玉のような汗が噴き出す。身体中の筋肉が弛緩する。たちまち虚脱状態になり精神は衰え、内臓は冒され括約筋が活動を止めて、もはや内容物が保てなくなり嘔吐した。槍男は卒倒した。
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