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シゾフレニア  作者: 民音慧可
第二部 原点回帰の物語
66/74

行方

真相が一話で終わるはずもなく、今後もだらだらと続きます


さて・・・どこにいけばいいのだろうか

この霧が濃い先の見えない中、俺はどこまで歩き続ければいいのだろうか

・・・まあ、そんな問はいい加減考え飽きたんだがな

はぁ。正直、色々面倒くさいな

寒さも空腹も無い以上、退屈で仕方ない


ここはどこなのか

今がいつなのか

明日は来るのか

昨日は在ったのか

ここにいると、そんなくだらないことを考えることしかできない


・・・ああ、なんとなくだが空想上の不老不死の気持ちが分かった気がする

気がするだけであって、理解は出来ないがな

ただ一つだけ共感できるだろう、退屈であると


「・・・・はは」


感覚が麻痺してきたのか

知りえない、知りたくもない感覚がひそひそと俺の後を辿ってくる

孤独であること、一人であること、誰も周りにいないこと

そうだ、俺は―――


「・・・俺は、怖かったのか」


―――不意に、目の前の視界に一つの白が目立つ

それは丁度俺の直線状に知らず存在していた

歩みを止めず、それを目指す

遠く離れた場所にあると思ったが

案外近くにあったのか、数十歩歩けばそれの下にいた


「・・・街灯?」


どこにでもある、歩道を囲うためにある自分より2,3倍高い街灯がそこにあった

その周りと見渡すが―――何もない、というより見えない

では下になにかあるのかと思いながらその街灯の周囲を歩いてみると

突然、爪先が何かに当たる


「これ、線路か」


そう認識すると見覚えのあるゴツい石が線路を取り繕っている

・・・さて、左と右。どちらを向かうか


「・・・あ?」


聞こえる

何か聞こえる

この世界を歩き続けて初めて俺の足音と声以外の音が聞こえた

街灯、線路ときたら次は音

となるとその音は想像できたので線路から少し離れた

――ああ、この鈍くリズムを刻んでくる音は聞き覚えはないにしろ、知っている

すると、右から二つに光る眼が勢いよく迫り―――通り過ぎる

不思議と風は感じなかった。だけど視覚だけで十分わかる


「―――・・・およよ。ぬしは御客人ですかな?」


そう、電車が俺の前を横切り減速。後に停車し目の前の扉が開いた先に

先に・・・・えっと・・・・


「なんだぁ、お前・・・」


光で形成された霊的なモノ・・・?

とにかく、形容しがたいモノが俺に話しかけてきた

・・・いつからこんなメルヘンチックな世界になったんだ?


―――まあ、気にしても仕方ないし好転しないか

だったら、俺はその問いにこう答える


「いや、そんな偉そうな奴じゃねぇよ」


「およよよ、では主は如何に?」



「―――金がねぇから、不正乗車になるかな。それでも乗せてもらえるか?」



――――――――――――――――――――



「はぁ・・・ここでコイツの真実を教えておいて、後で採点させるのもいいが、それじゃあ良心的か。まあヒントも交えながら会話でもしようや、刹莉」


認めた、この男は自分が有川湊であって有川湊ではないと認めた


それが聞けただけで、十分だ


だから本題を話そうか


「・・・はぁ、貴方物事の本質を分かってないんじゃないの?」


「あ?」


「湊の真実だの正体だのは"どうでもいい"。いいからその体を湊に返して千里を連れ戻すのよ!」


「よく言うぜ、ならどうしてお前はすれ違ったにも関わらず見捨てて帰ってきたんだ?」


違う、そうじゃない。そんな理由で帰ってきたわけじゃない


だってこれは・・・


「・・・はっきり言ってあげる。これは私の問題じゃない、湊自身の問題だ。何せ、妹なんだか・・・」


「―――おい、コイツにミーシェを重ねてんじゃねぇぞ」


最後まで言わせてもらえず、彼の言葉で遮られる


(・・・・ッ!?)


その言葉は、悔しくも的を得ていた


兄と妹。その兄妹の関係を私は知らず自分自身に置き換えていたのかもしれない


兄なら、姉なら妹のためにこうするだろうと。それを私は


私は―――湊に"期待"していたのかもしれない


・・・クソッ、気が緩みすぎだソヴィトヴィーニア


こんな奴に核心を抉られるなんて


「どいつもこいつも、表面しか知らず満足してやがる奴らばかりだな・・・」


「本当のことを知ることがそんなに偉いことなの?」


単純に思ったことを口に出す


しかしその言葉は彼にとってどうやら面白い回答だったらしい


「・・・へぇ、お前はそういう奴なのか。いやはやこうやって面と向かって話すと、色々なことが分かるもんだなァ」


「いちいち癪に障るようなことを言うのね、結局何がいいたいの?」


「すぐ答えを知ろうとするなよ。まずは考えて、試して、結論付けろ。採点はその後だ。」


だから、そういう上から目線が気に入らないんだよ


湊の身体で好き勝手言って、気持ち悪い


「まあ、この際私のことも貴方のこともどうでもいいよ。だから今は千里ちゃんを・・・」


「あーもーいちいちうるせぇ女だなァ、テメェ自分の立場理解してねぇだろ。だからそうやって聞いてくる」


「立場?・・・まさか」


私の立場。そんなこと言われたら思い出せるのはひとつだ


実験動物であり、頭のイカれた集団の一人


そしてその集団の隊長が湊である。ならば・・・


「もう・・・手は打ってあるってこと?」


「当たり前だ。・・・つっても命の保障がされているだけであって、傷つくこのに関しちゃ仕方ねェがな」


命の保証だけ、か


ならば十分だろうと、私は思った


命さえあれば取り返しが付く。命なくしてなのも成さないのだから


で、あればそう急ぐ必要もないだろう


この男だって無慈悲じゃない。嘘偽りがあろうと妹の命くらいはまもってくれるだろう


そう、普段の湊なら


だから・・・


「私は、貴方を信じない」


まあ、こんなセリフを吐くにしろ最終的に決断するのは湊だ


もし、もし仮にこの男はまた自分の中に引きこもっていて、


変わりとしてこのおふざけが激しい人格を表に出していたとしても


有川湊には変わりない。


だから私はこれ以上何も言わない。


とはいえ、信じるも信じないも今更の話でしかないけど


念のための確認として、口に出したに過ぎないのだからこれ以上の意味はない


それはこの男も分かっていたらしく話を悠長に続く


「・・・ああ、そうだったなァ。そういやそんな思考の持ち主でしたね、おたく」


・・・何なんだ、この男


どこまでも人を貶しているような態度


上から目線の自己中心的な発言


勘に障る、気味が悪い。いや純粋に―――


「・・・やっぱり、気持ち悪いって思うか。お前も」


「・・・ッ」


私、今顔に出してたか?


いやあまりそうは思いたくない。表情は相手に考えを読むことができる常套手段


だからこそポーカーフェイスを気取る。リアクションはするにしろね


「だよなぁ、そう思うよなぁ、うぜぇって思うよなぁ。自分でも思うよこんな喋り方」


でもな、と言葉を繋げ


「これも有川湊の一つなんだわ。コイツコイツで生まれ持っての薄汚い才能で苦しめられてっから、我慢してくれ」


「その才能って、もしかして多重人格のこと?」


いや、根本的に多重人格を才能と呼ぶのは間違いなんじゃないかとは思う


しかしその才能という代物に近いこととすれば、私が知る限りそれしかなかった


かつて、ミーシェと触れ合っていた人格、湊クンから聞いたから


「そいつぁ才能より素質近いな。まぁ?この話をするとなると話が長くなるから省くからそろそろ本題に入らせてもらうぜ」


「つまり、私に何か用があったからその人格でいるってことか」


「それは正解。まあコイツじゃないってバレたからにはお前にも協力をしてもらいたいと思ってな」


「貴方が、私相手に協力を求めるの?」


私は今でも悪い夢でもみているのか


全てを自分ひとりで片付けようと動き、結果失敗しようが成功しようが受け止める


それが私の知っている有川湊の性格の一部


そう思っていたし、裏付けできる確証はないのだから思い込みでしかないのだが


まさか、こうも軽々しく橋梁してほしいなんて言われたら破顔せざるを得ない


「そそ、何大したことじゃない。いつでもいい、タイミングはお前に任せるしこのことは忘れたって構わないそんなレベルの内容だ。だから期待も相応の結果も求めちゃいねぇ」


「・・・」


黙って聞く。そしてこの男の目的と意図を考察することに徹底する


が、結果としてその働きは意味がなかった


なんせ、目的も行動も結果も全部この男は口にしたのだから



「協力してもらう最終的な目的は、コイツの採点係になってほしい。んでそのために必要な採点用紙はある人物をお前のルートで調べて欲しいってわけだ。調べる方法は何でもいい、個人的有力だと考えるは天音のPCの中身を調べることなんじゃねえかとは思うがな。」


的確に具体的に、そして淡々と内容を話す彼は、

どこか、私の知る彼に重なっていた


「その人物って?」


その返答に薄気味悪く笑い、私の眼を見てこう答えた



「―――戸岐代奏世と戸岐代三觜。ググりゃ出てくるかつて有名だった元科学者夫婦だよ」

基本的に内容がシリアスだから、途中で日常パートでも挟もうかと計画

実行された試しがないが

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