始まり
かなり日が開いてしまった・・・・
単純に仕事が忙しいのと最近PC変えたからその影響で書く気力が起きなかったのです。申し訳ない
「ーーーーーーーまだ年端もいかない子供なのに・・・・」
「だが、これで奴らを追い出せる」
「先生は、そのために・・・?」
「非情だと思うか?だがこんなの、奴らに比べれば塵みたいなものだろう」
病院の一室。そこで看護婦と医師が、そしてベッドにいるのは2歳か3歳ぐらいの小さな子供
今は健やかに眠っている。だがしかし、先ほどまでは命に係わるほどの異常を見出していた
「何とか一命を取り留めることが出来たのだ。これこそ、まさに奇跡だろう。死んでいても可笑しくはなかった」
「でもこの子、これからどうするんですか?ずっと病院という訳にもいかないですし、やっぱり施設に?」
「いや、施設では駄目だ。奴らの血がこの子の血に流れている以上、施設で育てば必ず歪んだ人格になってしまう。それだけは、避けたい」
「どういう意味で、ですか?あの人達の血が流れているから、また"あのような"被害者が出てしまうと危惧しているんですか?それとも、この子だけは真っ当な人生を送ってほしいからですか?」
「・・・両方だよ」
「・・・・・今回の件、色々なところで波風立てられるでしょう。この病院もそう長くはーーーー」
「いや、私が消えれば収まるだろう。流石に都内の病院ひとつを潰す程の圧力は無い」
一人の少年を救うことで、どれだけのメリットがあるのだろうか
一人の人間を助けることで、どれだけの未来があるのだろうか
そして救い助けたこと自体が綺麗ごとで、真実、嘘と誤魔化しだと知ったら結果どうなるのだろうか
その答えは医師は、この老人は分かっていた
「・・・でも、隠し通すつもりなんでしょ?」
「よくわかっているではないか。10年に一度ガサ入れがある。今年でその一度は迎えたからなぁ。あと十年、いやせめてこの子が小学校を卒業するまで陰ながら見守っていこう」
「多く見積もりましたね~。お孫さんが嫉妬しますよ」
「孫はこの子と同い年でな。いい友達になるだろう」
平和的解決なんてものは無い
絶対にどこかしらに綻びがあり、隙間がある
放置すればするほど広がり、結果自滅する
この老人はそれこそ望んでいたのかもしれない
誰かに止めてほしいと、不器用な自分に留めを指してほしいと
そう願っていたのかもしれない
だからこの少年を助けたからといって、それは少年のためではない
全ては己の欲のためにーーーーそれこそが本能なのだから
修学旅行が明けて一日が経った今現在、日曜の昼
俺は家の違和感を放置して、居間でミーを足の上に乗せくつろいでいる
基本的には読書しながらテレビのチャンネルを適当に回す
何とも有り触れた休日生活だろうか
誰もいないから畸形を見ることもなく、ただただ時間だけが過ぎていくこの無駄遣い
今のうちに味わっておいたほうがいい時間の使い方だな
「・・・湊ー、暇だよね?」
「修学旅行で筋肉痛になったから動かないからな」
「まだ何も言ってないじゃない・・・」
「聞きたくないな。どうせロクなことじゃない」
自室がある二階から階段で降りてきた刹莉が居間の扉を開け開口一番でそう口にする
「香乃の家に遊びに行こう!」
「ガラにもなく元気っ子キャラを演じるのは構わないが、似合わないぞ?」
「その辺は触れなくていいから本題に触れてよ」
「香乃・・・つまりは仁多見の家に、か。どうしてまたそんな話に?というか、どうして俺がその話に加わっているんだ?」
刹莉が仁多見の家に行く分には不思議はないだろう
だがどうしてそこで俺を誘っているのか、また俺が行くことになっているのかが疑問だ
女の家にはあまり行きたくないんだがなぁ・・・雰囲気が特色過ぎて長居したくない
「あっ、湊だけじゃなくて磯波君もいるから大丈夫だよ?」
「そこ気にしているわけじゃないんだが・・・いや・・・」
仁多見の家、か
仁多見・・・つまりはあの女が居るってことか?
一度文句言ってやりたかったから丁度いい
どうせ今回の件も絡んでいるはずだ。直接会うのは久しぶりだが、まあ覚えているだろう
それだけやったら帰ろう、うんそうしよう
女の家になんて、居たくない
「いいぞ、行ってやる」
「・・・・・・・・・え、本気で言ってるの?」
どうやらいつも以上に疑われているらしい
というより、心底驚いている様子でもある
「行かなくていいなら行かないが?」
「ああ、ごめん。ならすぐに行きましょ。気が変わらないうちにね」
気は変わることはないだろうな
文句ついでにいろいろと聞いておきたいこともある
あいつもそれなりの情報を持っているはずだ
特に、ある人間については異常なほどまでにな
歩きでおよそ20分
距離にして九条峰高校と同じぐらいか
しかし、何故自転車を使わずに歩きを起用したのだろうか
その疑問も目的地に着いた時に分かった
「・・・確かに自転車じゃどうするか分からないな」
「止める場所とかないからね。事前に聞いておいて正解だったかな」
「盗まれたら適わんからな。金銭的な面じゃなくて気分的な意味で」
大したものじゃないのに、盗まれたってだけで異様に気分が悪くなるのは俺だけではないだろう
それはさておき・・・
「・・・大きい、ね」
「通学路から見えてたけど、まさかここだったとはな」
目の前に広がるのはバカみたいに高い高層で高級そうなマンション
「・・・あー、外にいるからお前入って呼んで来いよ」
「まあ呼んだ手前、それぐらいはするけど・・・」
渋々と了承した刹莉は入口である自動ドアから入り、さらに奥にある自動ドアの手前にあるパネルを操作し始める
俺はその姿を確認し、入口の前に来る時、近く見た自販機へ向かう
喉が渇いたので適当に水でも買おうかと思って来てみたのだが・・・
(売ってないのかよ・・・)
水売ってない自販機とか自販機じゃねえだろ
天然水くらい用意しとけよ。本当に天然なのかは定かじゃないが
そもそも天然水って何なんだろうな。何かしらの、それこそ消毒などの手が加えられてたらそれはもう天然じゃないだろ
天然の定義ってなんなんだろうなぁ・・・・帰ったらWikiで調べてみるか
(仕方ない・・・お茶でいいか)
若干暑いのも含め、やはり麦茶が鉄板か
100円玉と10円玉を入れ、以前までは100円だった麦茶のところに指を示した瞬間
ーーーーーいきなり右隣から腕が生えてきて嫌いな炭酸飲料を選択され、音を立てながら入口に炭酸飲料が現れる
「ーーーーーー久しぶりだねぇ、湊君。いや~大きなっちゃって。もうお姉さんの背を超えてるから立派な成人だよ」
「・・・・・・・」
・・・炭酸飲料自体は嫌いじゃないんだよ
飲めるし、普通にうまいと思う
だがな、自販機で炭酸飲料を選択すると大抵が振られている状態なんだよ
つまり、すぐに飲めない。開けようとすると泡立てて、手に掛かり、ベトベトして気持ち悪い
それでも捨てるわけにもいかないので入口に手を突っ込み雑にペットボトルを取り出す
「・・・あ、あれ?無視?ちょっとこのテンションで放置されるとお姉さん厳しんだけどなぁ・・・ねえ?」
この炭酸飲料、つまりはCCレモンなのだが。これどうしようか
悪戯で刹莉にでもあげるか。いやアイツの場合疑って飲もうともしないな
というより手に掴んでみてわかるが、これだけパンパンだと流石に気づくか
「もしもーし、聞こえるー?耳ついてるー?手品師みたいにそれは飾りなのー?」
すぐに飲めなかったのでさらに喉が渇く
今度は500円玉を挿入し、刹那に麦茶のボタンを押す
それは成功し、今度はしっかりと麦茶が出てきーーーー
「はいざーんねーん、私のほうが一歩早かったー!日頃の行いが悪いからだばーか!」
・・・出てきたのはその隣にあるあたたか~いの缶コーヒーだった
「・・・・・」
さて、この缶コーヒーはーーーー
「ーーーーーあっ、湊ー入れるようになったよー・・・って」
「ああ今すぐ行く」
丁度刹莉が玄関の自動ドアから出て来てくれたのですぐさまそちらに足を向ける
「入れるんなら早く入ろうぜ。外は暑いからなぁ」
「いや・・・・それは賛成なんだけど・・・その後ろでーーーーー」
「このまま入っていいのか?家は何号室だ?」
「う、うん。今なら入れるけど、だからそこでへこんでいる女性はーーーー」
「そうか。で、家は何号・・・いいや、面倒くさい。早く行くぞ」
そういいながら俺は刹莉の背中を押し催促する
・・・会い来たのは確かなんだが、実際来ると会いたくなくなるな
俺の知人は面倒でうざくて気味が悪い人間ばかりだ
・・・・あー、帰りたい。でも帰り道にはアレが・・・いやどちらにせよこのまま進んだって・・・
やっぱり来るんじゃなかったかなぁ、休みは引きこもっているに限ると痛感するよ
これからはしっかり1週間ずつ更新できると思うので、よろしくお願いいたします




