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シゾフレニア  作者: 民音慧可
第二部 原点回帰の物語
41/74

休み明けの月曜日 LHR


「それじゃあ班を決めるよー。班の条件は男女4人以上。見学する場所についてだけど、話し合った結果集合時刻までに集まってくれるなら基本自由で言いということです。まあその件は後でまた詳しく話すから今は班だけこの・・・そうだね、10分ぐらいかな。掛けて決めてください」


もうあまり日が無いということなので、休み明けの月曜。その午後最後の2時間を使って班を決め、回る場所を大体決めて提出するということらしい


・・・男女4人以上か


普段の俺なら男4人以上でも構わないんですかー?みたいなことを思うのだが、今回は違う


「刹莉さん!俺と一緒に・・・」「いや俺のところに!!」「むしろこの団体でいいんじゃね?」


と、現状ソヴィこと刹莉の周りに男子が数名群がっている


それを見る女子の目は最早軽蔑を通り越して呆れの眼差しだ


普通の女子なら妬ましく思うが、流石ソヴィ。女子からも人気のあるカリスマ性だ


目の色が異色だから、普通なら虐めの対象になりかねないが、それすらも自分の美徳ししている


それは並の人間じゃ出来ないことだ


・・・アイツが隊長やったほうがいいんじゃねえの?と本気で思ってしまうほどに


(とりあえず、あの人ごみを掻き分けないと・・・)


そう、今回だけはソヴィと一緒の班でないと都合が悪い


なので席から立ち上がりアイツの場所へ移動しようとしたら


「ーーー・・・一緒でいいよね?」


気づけば、ソヴィは俺のすぐ傍まで接近していた


それはそれで手間が省けてよい


「ああ、いいよ」


そう答えると後ろの男子数名から妬ましい、羨ましい、忌々しいなどの感情が、畸形が見えるほどにハッキリと俺に対しての感情が解る


ソヴィへアイコンタクトを取る


それに気づき頷いてくれると、予定していた通りに呼びかけてくれた


「磯波君、香乃。一緒にどう?」


磯波いそなみ伸也しんや仁多見香乃にたみかの


「勿論オーケーだよ。ソ・・・刹莉さんから声を掛けてもらえるとは思っていなかったから願ったり叶ったりだよ」


「うん、断る理由もないもんね」


この二人は確か公認カップルだとかなんとか


磯波は俺達とはほんの少しだけ縁がある。刹莉の本名がソヴィだということをこいつは知っているし、俺とはなんだかんだで3年間同じクラスになっている


殆んど話したことは無いが、イケメン故に気さくで優しい奴だっていうのは解る


つまりは耕哉と一緒なのだ


因みに、刹莉がソヴィであることはソヴィが転入してくる前に隠しておくよう頼んである


そして、見た目も心もイケメンな彼なので理由を聞かず快くオーケーしてくれて、現実今でも誰にも話した様子は無い


・・・だが、すぐにわかることでも在る。九条峰では良い意味で一時期有名だったのでバレてもいいように仕掛けておく必要がある


確かに九条峰の連中には今でも死んでいるって扱いになっているだろう。それに関しては心が痛いが、それもソヴィが総て決めることだ


話すのか、話さないのかをな


仁多実の関しては知らん。としか言えない。ソヴィとよく話している様子ではあるから気が合うのだろう


その二人がカップルなのだ。そして男女4人以上とくれば、周りから見ればダブルデートという奴が出来、それを最大限有効活用する場面が来るかもしれないからな


・・・・・・・・うっっっわ、気持ちワリィ。鳥肌立ったぞ。


何がダブルデートだよ。頭沸いてんじゃねえの?


だが、カモフラージュに使えるのは確かだ


特に今回の場合この二人が公認カップルっていうのがデカイ


俺達が別行動したって誤魔化せることが出来るからだ


さて、どうしてそんなことを考えたのかと疑問に思うだろう


理由は、修学旅行中にもしかしたらこの町でさらに麻薬が広まったり主犯の手掛かりが手に入った時、一時的だが班とは別行動になる


街中で電話に出たり情報を見るなどの軽率で愚かなまねは出来ないからな


人目につかない場所まで行かなければ行けないからだ


そのためのカモフラージュ。表立ってあの二人が目立ってくれるのはかなり有難い


利用するようで悪い気はしないでもないが、事態が事態なので仕方ない


最も、あの二人も別段嫌々承諾してくれたわけじゃなく、むしろ快く承諾してくれたので満更でもないだろう


この二人もカップルで行動したいが、4人以上だと他のカップル探さないといけないと思い困っていたらしいので丁度良かったという話だ


因みに、これはソヴィが事前に連絡して既に承諾を貰っていたりする


前日話し合ってもらって決めるよう頼んでおいたのだ


まあ、公言することに意味があるのだが


「他に誰か呼ぶのかい?4人以上だから、他にも一緒に行動したい人がいるなら僕達はかまわないけど・・・」


磯波が当たり前の質問を俺達にしてくる


「いえ、この4人で行動しましょ。人数多くても周りの邪魔になったり、目立ったりしちゃうからね」


「解った、ならそうしよう」


それに対してソヴィがしっかりと答え、向こうも納得してくれた様子だ


「それじゃあ、どこに回るか決めましょうか。立ちっぱなしも疲れるし、どこか座りましょ。えっと・・・湊の席の周りでいいよね。近いし」


「どこも一緒だから構わねえよ」


さて、これで一応修学旅行に対する事前準備は整った


今回の班決めも大事だが、いやはや近場の京都に決まってくれてよかったよ


これで北海道とか言われたらまたしなくちゃいけないからな


ああ、勿論これは立派なウイルステロだ。警察にばれたら即刑務所か


上層部も知らないし、天音も知らない。俺独自のルートで契約し行った


この世界で生きるためには、色々な人間との交流と関係を持って居なければ生き残ることは出来ないからな


・・・ああ、天音からの命令なのだから天音に話せばそういうことも出来るんじゃないかと思うが、俺は出来る限りアイツに頼りたくないからな


だが、外国人を雇うのだってタダじゃないんだ。それなりに金掛かっているんだからこれ以上は避けたいものだ


願わくば中止がよかったんだが、そうも出来ないだろう。修学旅行代は徴収してあるし、何より生徒達が可哀相に思うからだ。折角の高校時代、修学旅行にいけませんでしたーなんてことになったら一生怨まれると思うからな


学校側としては世間体的にも感情的にも、とにかく修学旅行を行いたかったんだろう


・・・ここから京都まで新幹線で約2時間


これは一番早いってことは理解している。だからこそ天音には厳重に調べておくように頼んであるが


2時間もあればどうとでも出来る。逃走も、隠蔽も


心配は山ほどあるし、正直修学旅行へは行かずここに残ろうと思ったのだが



「へ~、聞いていただけだけど本当に間近で見れるんだ。この金の建物。ねえ湊、他にはどこ行く?というかオススメとかないの?」



こんなにも楽しみにしているソヴィを一人行かせるのは色々と不安である


九条峰と一緒なんだ。隠す誤魔化すだって一人じゃ限界がある。上手くやるように、混乱は起こらないよう手助けしていかないと


そしてそれと同じくらい千里が不安である


仕事云々抜きにして、千里一人の家が心配である


ゴミ屋敷とかにならなければいいが


千里は一階の客間を自室として使ってもらっている


なので基本的に二階の俺の部屋には来ないのだが、どうしてだろう。凄い不安だ


・・・今のうちに鍵つきの扉に変えようかな










放課後、ソヴィはソヴィで夜まで用事があるとのことなので、俺も折角なので遠出する用事を作ることにした


ああ、千里も今日は友人達と飯食いに行くとのことなので家に関しては問題ない


さて、そして俺の用事とは・・・


如月と話すことだ


アイツとは一回二人きりで話しておきたいと思っていたので丁度良い


今までの事やこれからのこととかをな


そのために一度断りを入れておこうと思いメールを送る


<放課後、一度話し合いたいのだが暇か?>


という件名で送る。本文は無い


すると、1分で返信が来ると


件名はなしで


<えっ!・・・えっ!?何言ってるの湊君!?(゜Д ゜)?

 貴方にはソヴィという大切な人が居るのに、その親友である私をデートに

 誘うなんて・・・なんて浮気ものだっ!(# ゜Д ゜)ノ

 そんな人間が身近にいるなんて思いたくない!!

 私が調教♡してあげるからちょっと御門駅みかどえきまで来なさい!!>


と、いうのが本文だった


何とも気持ち悪く頭のおかしい文章だと思いつつ、こいつはしっかりと俺の意図を察していることが解る


・・・というか、普段からこんななのだろうか。ちょっと、いやかなり頭の可笑しい娘と見られても仕方ない


しかし、そういうキャラで通っているしのだから今更それを指摘したところで治す気は無いだろう


それこそが美月のアイデンティティなのだから、治して普通になったらそれはそれで気味が悪いというのが周りが反応するだろうと安易に想像できる


さて、19時ぐらいまでには帰ってくるつもりだが、まあ今日ばかりは遅くなっても構わないだろう


一度家に帰って身支度して洗濯物を家に入れてきてあるので心残りは無い


歩いて最寄の駅へ向かい、指定された御門駅はここから3つ先の駅で、時間は20分くらい掛かり、九条峰からの距離はあまり無い様子だ


最も、身近でレベルの高い学校を選ぶのは当然だろう


目的の場所である御門駅に着き、駅のホームを出る


一言で言うなれば普通の都会だ


確かに都会方面へ向かっていたので当たり前なのだが、しかし20分乗っただけでここまで違うとは・・・


居間まで都心に行くとなると道中の駅では降りないし、天音の車で行くのが殆んどだったので少し新鮮だな


こっちは駅周辺が充実しているだけで、他は別段威張れる場所などないので少し不思議な気分である


さて、如月は何処にいるのやら・・・


一見見渡すが居ない、というか人が多いのでわからない


こんなところ、以前の俺だったら吐いていたな


(・・・メールで呼び出してみるか)


というよりメールアドレスしか知らない。


以前俺が九条峰に居る時に、皆で簡易的なゲームをしたのだが、そこで俺が負けて負けて全員分のジュースを買いに行かされたのだ


だが如月が言ったジュースだけよく解らないモノだったのでついでにメアド交換して、細かく書いてもらったのだ


しっかしあんなゲテモノ、よく飲む気になるな・・・


まあそんなことはどうでもいい。ポケットに入っている携帯を取り出し、今何処にいるかを聞き出そうと操作するとーーーーーーー


「・・・目の前に居るのに、どうしてメールで聞き出そうとしているのかなぁ?」


気づけば目の前に如月がいるではないか


「ーーーーーッ!」


これには、肝が据わっている俺でも流石に驚く


携帯取り操作している瞬間に目の前に現れたのか、それとも元々居たのに俺が気づかなかったのか・・・・


どっちにしろ、如月からすれば失礼なことだったのかもしれない


「悪い、気づかなかった」


ここは素直に謝っておこう


「いいっていいって、気配無くしながら近づいた私も悪いし~♪」


「・・・マジかよ」


それが本当なら俺、隊長失格だな


「嘘だよ?・・・やっだ、なに本気になってんのよ。気配を消すとか漫画じゃないんだからw」


ああ、つまりバカにされたのか俺は


というか、コイツは誰に対してもからかうことが多いので今更気にしないで置こう


「んじゃあ、付いて来て。"二人きり"で話せる場所まで案内するから」


二人きりの部分がやけに強調されていたが、スルーしよう


そういうとスタスタと歩き始めるので、俺は言われたとおり付いていく


するとタクシー乗り場まで案内され、如月はそのままタクシーに乗る


(・・・移動はタクシーか。金持ちの発想だな)


貧乏性の俺には絶対に思いつかない発想の一つだ


タクシーで移動中、メアドしか知らないから電話番号も交換しようと如月に提案されたのでそれに従う


俺も今後のことを考えると知っておいたほうが良いと思ったので応じたのだ


タクシーで約30分。その間は他愛もない雑談をしながの移動となったが、苦ではなかった


目的の場所に着いたのか、タクシーが止まり如月が金払おうとするが、そこは俺が払う


女に奢らせるほど甲斐性が無いわけではないからな


これでも働いているし、一応蓄えは在るのだ。


そこからも少し歩くことになる。時間にして約10分くらいか


そうするとようやく如月の言う二人きりで話せる場所に辿り着く


「・・・で、ここは?」


素朴だが、当たり前の疑問を聞いて見る。


大体想像はつくけどね


「私の家だよ?」


うん、解ってた


しかし、異性の家か・・・


思い返せば、今まで女性の家に行ったのなんて天音の職場か美樹の家ぐらいだな


といっても、美樹の家は耕哉の家でもあるので別段意識したことは無い


天音の職場。つまりは研究室なのだが、あれはどう考えても異性っていうより異質という表現が適切だ


あちらこちらに薬、本、薬、本、薬・・・


そいういう場所だしそういう職業だって言うのは解るが・・・いや、考えるのは止めよう


そして、今回如月の家にお邪魔することになるのだが


如月、つまりは月の家か・・・


イメージ的にいたるところに精密機械が置いていそうだな


それはそれで心して行かないと危ないかもしれない


うっかり壊してしまうようなことがあったら、恐らく俺では弁償しきれないだろう


そんな事態に陥らないよう、気をつけねば








だが、そんな心配必要なかった


「お茶でも持ってくるからその辺で座っててね~」


案内されたのは如月の自室。その道中、予想していた精密機器などなく


それよりも、居間に居た如月の祖母らしき人も居たので至って普通の家庭なのは間違いないのかもしれない


それでもこいつの私室は・・・と思ったのだが、現状見渡す限りそんな機械や怪しいモノは無い


ぬいぐるみや勉強机、教科書やテレビ、可愛らしい絵柄のカーテンやベッドやカーペットから察するに普通の女子の部屋その物なんじゃなかろうか


・・・実際に見たことないから解らないけど


いや、ソヴィの部屋には何度か入ったことあるか


しかし、アイツの部屋は一言で言うなれば素朴


白か黒で統一されており、絵柄という絵柄が無いのだ


強いて言うなれば和室だったので元々在る畳ぐらいか


色はそうなのだが、必要不可欠な家具は置いてあるので確かに日常生活を送る際には問題ない


・・・まあ、本人がそれで言いというのだからいいのだろう


「部屋も家も普通でしょ?」


トレーに駄菓子少々コップ二つ。そしてオレンジジュースを乗せて如月が戻ってきた


「・・・まあ、な」


「でもねー、この部屋防音なの。だからここでの内容は外も行為も漏れることは無いよ♪」


意味深なことをさらりと言うな


「だからここに連れてきたのか」


「そう、湊君が話したいことを察したからね。それなりの配慮は必要でしょ?」


確かにな。お前は謎に謎を包んだ俺の部隊のサポーター


その理由はなにかあるのだろう


それでも俺には正体を明かした


ソヴィを助けたから、如月にとって大切な親友を助けたからそのお礼に


つまり、ソヴィに関係することはコイツは形振り構っていられないということだろう


それほどまでにソヴィが大事だから、ソヴィが大事な存在だから


・・・考えすぎか。だが、ソヴィがコイツにとって唯一無二なのは変わりない


"話したいことを察したから"


つまり、コイツはやっぱりーーーーー



「ーーーーー・・・それじゃあ、話し合いましょうか。今町で起こっている麻薬流出について」



その声はさっきまで聞いていた和気藹々とからかいはしゃぐ声とは全くの別物で


凛々しく、そして低い声だがそれでいて耳に残る声だ


そう、いつも俺たちが知っている如月ではなく今この瞬間月になったということだろう


・・・口ぶりから月は知っているのだろう。麻薬について


ならまずは、お互い仕入れている情報の交換から始めるとしよう


3月中に書き留めて置きたい

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