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星追いの少女、世界を旅して無双する  作者: 宵月
星を失った騎士と、星を追う少女
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第二十話 万魔の切り札

今回も読んでいただきありがとうございます!


宵月「今回は、リリアとアリシアが力を合わせて、万魔の災厄と戦います。ぜひ最後までお楽しみください!」


リリア「ちょっと待ってください! 私が紹介します!」


宵月「……えっ?」


リリア「今回はアリシアさんと一緒に戦います! それに、あの人が…ムグ!」


宵月「ネタバレになっちゃう!!」


リリア「えへへ!」


宵月「ちょっと!!」



「……っ!」


 私は剣を振るい、迫ってきた魔物を斬り伏せた。


 けれど、まだ魔物は残っている。


 倒しても、倒しても、次々と現れる。


「……もう! どれだけいるの!?」


 思わず声が出た。


 目の前の少年――万魔の災厄は、そんな私を見て楽しそうに笑っている。


「ふふっ。頑張るね」


「……あなたが魔物を集めているんでしょ!」


「うん。そうだよ」


 悪びれる様子もない。


 私は剣を構え直した。


 このまま魔物たちを相手にしていても、きりがない。


 それに、街のみんなもまだ戦っているはず。


 早く、この人を止めないと。


「……なら!」


 私は魔物の攻撃を避け、少年へ向かって走った。


 剣を振るう。


 けれど、少年はひらりと身をかわした。


「おっと」


「……っ!」


 続けて斬りかかる。


 また避けられた。


 ……速い。


 魔物を操るだけじゃなく、本人も強い。


 私は一度距離を取った。


 そのとき。


「リリア!」


 聞き覚えのある声がした。


 振り向くと、森の入口からアリシアが走ってくる。


「アリシアさん!」


「無事だったか!」


「はい! でも、魔物がいっぱいで……!」


 アリシアは周囲を見渡した。


 そして、少年の姿を見つける。


「……あれが、魔物を操っている者か」


「はい! 上級魔族の第十位、万魔の災厄です!」


「上級魔族……!」


 アリシアは剣を構えた。


「リリア。あの者を止めよう」


「はい!」


 アリシアが前へ出る。


 私も隣に並び、剣を握り直した。


「……二人で戦うのは初めてですね」


「そうだな」


 アリシアは少しだけ笑った。


「だが、今は頼らせてもらう」


「えへへ。任せてください!」


 私たちは同時に駆け出した。


 ◆


 アリシアが正面から斬りかかる。


 少年はそれを避けようとした。


 けれど、その瞬間。


「今です!」


 私は横から剣を振るう。


「……っ!」


 少年は身をひねり、なんとか避けた。


 けれど、今度はアリシアが追撃する。


 剣と剣がぶつかる音。


 少年は笑いながら、後ろへ跳んだ。


「へえ。二人だと、ちょっと大変だね」


「……余裕そうだな」


 アリシアが低い声で言う。


「まだ余裕があるのか?」


「うん。だって、楽しいから」


 少年はそう答えた。


 その言葉に、アリシアの表情が険しくなる。


「……人の命を、遊びにするな」


 アリシアが一気に踏み込んだ。


 剣を振るう。


 少年は避ける。


 けれど、避けた先には私がいた。


「えいっ!」


 剣を振るう。


 少年は大きく後ろへ跳び、私たちから距離を取った。


「……あははっ!」


 楽しそうな笑い声。


「君たち、いいね!」


 少年は手をかざした。


 その瞬間、周囲の魔物たちが一斉に動き出す。


「……っ!」


 私たちはすぐに魔物たちへ向き直った。


 アリシアが魔物の攻撃を受け止める。


 私はその隙に、別の魔物を倒す。


 そして、再び少年へ。


 何度も何度も繰り返す。


 魔物たちの攻撃を防ぎながら、少しずつ少年との距離を詰めていく。


 アリシアが前へ出て、少年の動きを止める。


 私はその隙を狙って剣を振るう。


「……っ!」


 少年が初めて、大きく後ろへ下がった。 後ろは壁だ。


 その表情から、笑みが少しだけ消える。


「……へえ」


 私は剣を構えた。


 アリシアも、隣で剣を構え直す。


「……追い詰めたな」


「はい!」


 少年は私たちを見つめた。


 そして。


「……ふふっ」


 小さく笑った。


「じゃあ、そろそろ見せてあげようかな」


 ◆


 少年の身体から、魔力が溢れ始めた。


「……?」


 私は思わず足を止めた。


 今まで感じていた魔力とは、まるで違う。


 膨大な魔力が、少年の身体を包み込んでいく。


 黒と紫が混ざり合ったような、禍々しい魔力。


 それが渦を巻き、周囲の空気を震わせた。


「……何、この魔力……!」


 アリシアも驚いたように目を見開く。


 少年の姿が、魔力に覆われていく。


 その輪郭が変わり、まるで異形の存在へと変化していくようだった。


 先ほどまでの無邪気な笑顔は、もうない。


 ただ、こちらを見つめる目だけが、静かに輝いている。


「……これが、僕の切り札」


 少年の声が響いた。


「《万魔解放》」


 魔力が一気に膨れ上がる。


 周囲の魔物たちも、その魔力に呼応するように動き始めた。


 私は剣を握りしめた。


 ……すごい。


 今まで戦ってきた相手とは、まるで違う。


 アリシアが私の隣に立つ。


「リリア。気をつけろ」


「……はい」


 私は少年を見つめた。


 万魔の災厄。


 その名にふさわしい、圧倒的な魔力。


 けれど。


 私は剣を構え直した。


 街のみんなを守るために。


 そして、隣にいるアリシアと一緒に。


 私は、もう一度前へ踏み出した。


今回から、後書きをその回の重要人物が担当します!  仲間だけではなく敵も来たり…?


今回は《万魔の災厄》、ことノエさん!


……ふふ。


今回も読んでくれてありがとう。


僕と遊ぶのは、楽しかったかな?


まだまだ、面白いことはたくさんあるよ。


次も楽しみにしていてね。


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