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星追いの少女、世界を旅して無双する  作者: 宵月
星を失った騎士と、星を追う少女
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第十八話 魔物を操る者

街を襲う魔物たちを倒しながら、私は異常な魔力を探知しました。


その先にいたのは、魔物たちを集めていた少年。


彼は上級魔族第十位――万魔の災厄でした。


街の周囲では、まだ魔物たちとの戦いが続いていた。


冒険者たちが魔物を倒し、騎士たちが街を守る。


けれど、数が多すぎる。


倒しても倒しても、次の魔物が現れる。


「……うーん」


私は剣を振るい、目の前の魔物を倒した。


これで、近くにいた魔物は一通り倒せたはず。


でも、まだ遠くにはたくさんいる。


「……どうしようかな」


私は周囲を見渡した。


魔物の数が多いのは分かる。


けれど、どうしてこんなに集まっているんだろう?


普通なら、魔物はそれぞれの縄張りで生活している。


ここまで大量に集まるのは、少し不自然だ。


「……もしかして」


私は魔力探知を使った。


周囲の魔力を探り、魔物たちの気配を追う。


たくさんの魔力が感じられる。


その中に、ひときわ大きな魔力があった。


「……あれ?」


私は思わず目を細めた。


街から少し離れた場所。


そこに、とても強い魔力を持つ何かがいる。


魔物たちの魔力とは違う。


それに、あの魔力は……。


「……もしかして、あれが元凶?」


魔物たちを集めている何か。


そう考えると、今起きていることにも説明がつく…かも。


「……よし!」


私は剣を握り直した。


「ちょっと、行ってみよう!」


◆


街の門から離れ、魔力の感じられる方向へと走る。


魔物たちの群れを避けながら、森の中を進んでいく。


途中、何体かの魔物が襲ってきた。


「ごめんね!」


私は剣を振るい、魔物たちを倒す。


そして、再び走り出した。


魔力は、少しずつ近づいている。


「……この先かな?」


森の奥。


木々の間に、開けた場所が見えてきた。


そこには、たくさんの魔物が集まっていた。


ゴブリンやオーク。


ゴブリンロードにジャイアントオーク。


ローリングやボマーロック。


そして、見たことのない魔物もいる。


「……わあ」


私は思わず足を止めた。


魔物たちの中心。


そこに、一人の少年が立っていた。


白銀の髪。


小柄な身体。


そして、楽しそうな笑顔。


少年は魔物たちを眺めながら、何かを呟いている。


「……ふふ。いっぱい集まったね」


私は少年を見つめた。


あの魔力。


間違いない。


「……あなたが、魔物を集めているの?」


少年がこちらを振り向いた。


「ん?」


そして、私を見て笑った。


「……あれ? 人間?」


「いや、違うよ」


私は剣を構えた。


「魔物たちを集めているのは、あなた?」


少年は首を傾げる。


「そうだけど?」


「……どうして?」


「どうしてって……」


少年は少し考えた。


そして、楽しそうに笑う。


「面白そうだったから!」


「……え?」


私は思わず聞き返した。


「面白そう?」


「うん! 魔物がいっぱい集まったら、どんなことになるのかなって!」


少年は無邪気に笑っていた。


「人間って、面白いよね。仲間を守ろうとしたり、誰かのために戦ったり」


「……」


「そういうのを見るの、好きなんだ」


私は剣を握る手に力を込めた。


「……あなたのせいで、街の人たちが危ない目に遭ってるんだよ」


「そうだね」


少年はあっさりと頷いた。


「でも、別にいいじゃない?」


「……よくないよ」


私は一歩前へ出た。


「みんな、必死に街を守ってるんだよ」


「ふーん」


少年は私を見つめた。


「君も、そういうのが好きなの?」


「……好きとか、そういうことじゃないよ」


私は剣を構え直した。


「私は、みんなを守りたいだけ」


少年は、少しだけ目を細めた。


「……へえ」


そして、笑う。


「じゃあ、君も遊んでくれる?」


◆


少年が手を上げた。


その瞬間、周囲の魔物たちが一斉に動き出す。


「……!」


私はすぐに剣を振るった。


襲いかかってきた魔物を倒し、次の魔物へと向き直る。


けれど、数が多い。


「……こんなにいるの?」


少年は楽しそうに笑っていた。


「もっといるよ!」


その言葉と同時に、森の奥からさらに魔物が現れた。


私は魔力探知を使う。


魔物たちの魔力が、少年の魔力と繋がっている。


「……眷属魔法?」


少年は嬉しそうに頷いた。


「そう! 僕の魔法!」


「……」


「僕より弱いものなら、眷属にできるんだ」


少年は、まるで自分の宝物を紹介するように言った。


「だから、こんなにいっぱい集められるんだよ!」


私は周囲を見渡した。


魔物たちは、少年の魔力に従って動いている。


つまり。


「……あなたが、全部操っているんだね」


「うん!」


少年は笑った。


「ねえ、君はどれくらい強いの?」


私は答えず、剣を構えた。


「……それは、戦ってみれば分かるよ」


◆


私は魔物たちを倒しながら、少年へと近づいていく。


剣を振るい、魔法を使い、少しずつ距離を詰める。


けれど、少年の周囲には魔物が集まってくる。


まるで壁のように。


「……邪魔だなあ」


私は小さく呟いた。


「ちょっと、どいて!」


風の魔法を放つ。


魔物たちが吹き飛び、道が開けた。


私は一気に駆け出した。


少年が目を見開く。


「……おっ!」


私は剣を振るった。


けれど。


少年は、軽く身をかわした。


「……あれ?」


剣が空を切る。


少年は楽しそうに笑っていた。


「へえ。君、強いね!」


その瞬間、少年の魔力が膨らんだ。


「……じゃあ、もっと遊ぼう!」


◆


一方、街の門では。


魔物たちの攻撃が続いていた。


冒険者たちは疲れ始め、騎士たちも苦戦している。


「まだ来るのか!」


「くそっ、数が減らない!」


そのとき、広場の方から声が聞こえた。


「騎士様!」


住民の一人が、アリシアに声をかける。


「こっちに魔物が!」


アリシアはすぐに振り向いた。


「……分かりました!」


剣を握り、住民たちの前へと立つ。


魔物が襲いかかってくる。


アリシアは剣を振るい、魔物を倒した。


「大丈夫ですか?」


「は、はい……!」


住民たちは頷いた。


アリシアはその姿を見て、少しだけ目を細めた。


守れた。


今度は、守ることができた。


「……よかった」


けれど、戦いはまだ終わらない。


アリシアは再び剣を構えた。


◆


森の奥。


私は少年と向き合っていた。


周囲には、まだたくさんの魔物がいる。


そして、少年の魔力はさらに強くなっていた。


「……すごいね」


少年は楽しそうに笑う。


「君、ほんとに強いんだ!」


私は剣を構えたまま、少年を見つめた。


「……あなたは、何者なの?」


少年は少しだけ首を傾げた。


「僕?」


そして、笑う。


「僕は、上位魔族だよ」


「……上位魔族?」


「うん。第十位、ノエだよ」


少年は、楽しそうに言った。


「異名は――万魔の災厄」


私は、剣を握り直した。


……なるほど。


この魔物たちを集めた元凶。


そして、街を襲っている原因。


「……あなたを倒せば、魔物たちは止まる?」


少年は笑った。


「さあ?」


「……え?」


「僕が倒されたら、どうなるんだろうね?」


少年は、まるで本当に分からないような顔をしていた。


「……試してみる?」


私は剣を構えた。


「……うん」


「あなたを倒して、街を守る」


少年は嬉しそうに笑った。


「……いいね!」


その瞬間、魔物たちが一斉に動き出した。


私は剣を振るった。


「……行くよ!」


街を守るため。


そして、この異常な魔力の主を止めるため。


私は、万魔の災厄へと向かっていった。


◆


その頃。


街の門では、アリシアが魔物たちと戦い続けていた。


剣を振るい、住民たちを守る。


そして、ふと森の方を見た。


遠くから、強い魔力を感じる。


「……リリアさん?」


アリシアは、剣を握り直した。


そして、駆け出した


街を守るための戦いは、まだ続いていた。



今回も読んでいただき、ありがとうございます!


魔物たちを集めていた元凶が、ついに姿を現しました。


上級魔族第十位、万魔の災厄。彼の眷属魔法によって、街の周囲に大量の魔物が集められていたようです。


リリアは街を守るため、彼と戦うことになります。


次回、リリアと万魔の災厄の戦いをお楽しみに!


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