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星追いの少女、世界を旅して無双する  作者: 宵月
星を失った騎士と、星を追う少女
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第十七話 街を守る戦い

街を守るため、冒険者や騎士たちが魔物の群れと戦い始めました。


しかし、上位種を含む大量の魔物たちに、少しずつ押されていきます。


そして、アリシアもまた、守るべき人々のために剣を握りました。


街の外に集まった魔物たち。


その数は、時間が経つにつれて増えていった。


ゴブリンやオークだけではない。


ゴブリンロードにジャイアントオーク。さらに、クイックロックやブラストロックといった上位種まで混ざっている。


街の冒険者ギルドでは、緊急の防衛準備が進められていた。


「魔物の数はどれくらいだ?」


「確認できただけでも、かなりの数です! まだ増えている可能性があります!」


「くそっ……!」


冒険者たちは武器を手に取り、街の門へと向かう。


騎士たちも住民の避難誘導を始めていた。


「住民の皆さんは、街の中央広場へ! 決して外へ出ないでください!」


「魔物が来るのか……?」


「大丈夫なのか?」


不安そうな声があちこちから聞こえる。


そんな中、私は宿の窓から街の様子を眺めていた。


「……大変なことになってるね」


街の外から、魔物の気配がたくさん感じられる。


普通の魔物だけじゃない。


かなり強い魔力を持つ個体も混ざっている。


「……私も行こう」


剣を手に取り、宿を出た。


◆


街の門の前では、冒険者たちが集まっていた。


「リリアさん!」


ギルドで顔を合わせた冒険者の一人が、私に気づく。


「来てくれたのか!」


「うん。魔物がいっぱい来てるんだよね?」


「ああ。数が多すぎる。上位種まで混ざっているらしい」


「そっか……」


私は門の外を見た。


遠くから、魔物たちがこちらへ向かってくる。


その中には、見たことのある魔物もいた。


「ローリングにボマーロック……」


でも、それだけじゃない。


ゴブリンロードが群れを率いている。


ジャイアントオークは、普通のオークよりも大きな身体をしていた。


さらに、岩の魔物たちもいる。


「……これは、ちょっと大変そうだね」


「ちょっとどころじゃないぞ!」


冒険者が叫ぶ。


「俺たちだけじゃ、全部を止められない!」


「でも、やるしかないよね」


私は剣を握った。


街の中には、たくさんの人がいる。


ここで魔物を止めなければ、みんなが危ない。


「……よし!」


◆


魔物たちが、街へと押し寄せてきた。


「来るぞ!」


冒険者たちが一斉に武器を構える。


魔法使いたちは詠唱を始め、騎士たちは盾を構えた。


「撃て!」


火球や風の刃が飛び交う。


先頭の魔物たちが倒れていく。


しかし、後ろから次々と魔物が押し寄せてきた。


「数が多い!」


「こっちにも来てるぞ!」


ゴブリンロードが魔物たちを率いて、別の場所から攻めてくる。


ジャイアントオークは、盾を構えた騎士たちへと突進した。


「うおおおっ!」


騎士たちは力を合わせて受け止める。


だが、その衝撃に何人かが後退した。


「くっ……!」


「押し返せ!」


冒険者たちも必死に戦う。


魔物を倒しても、次の魔物がやってくる。


終わりが見えない。


「……このままじゃ!」


私は前へ出た。


剣を振るい、魔物たちを次々と倒していく。


「リリアさん、助かる!」


「うん! でも、まだまだいるね!」


魔法も使いながら、私は戦場を駆け回った。


火の魔法で魔物を吹き飛ばし、風の魔法で動きを止める。


そして、剣で一気に倒す。


それでも、魔物の数は減らなかった。


◆


その頃、街の中央広場。


住民たちは避難していた。


子供たちは不安そうに親の服を握りしめている。


「お母さん……大丈夫?」


「大丈夫よ。きっと騎士様たちが守ってくれるわ」


そう言って、母親は子供を抱きしめた。


広場の近くでは、騎士たちが住民を守るために配置されていた。


その中に、アリシアの姿があった。


彼女は剣を手に、静かに周囲を見渡している。


街の人々。


かつて、エレノアが大切にしていた人たち。


アリシアは、彼らの姿を見つめた。


――守れなかった。


その記憶が、胸を締めつける。


けれど。


今、目の前にいる人たちは、まだ守れる。


「……」


アリシアは剣を握り直した。


◆


「魔物が来たぞ!」


広場の入口から、数体の魔物が現れた。


避難していた住民たちが悲鳴を上げる。


騎士たちはすぐに前へ出た。


「住民を守れ!」


「ここは通さない!」


魔物たちが襲いかかる。


騎士たちは剣と盾で応戦した。


しかし、魔物の数は多い。


一体を倒しても、すぐに次が来る。


「くそっ……!」


騎士の一人が後退した。


その隙に、魔物が住民へと向かう。


「危ない!」


アリシアは走った。


剣を抜き、魔物の前へと立ちはだかる。


一閃。


魔物が倒れる。


「……大丈夫ですか?」


アリシアは住民たちへ振り返った。


「は、はい……!」


「よかった」


その声は、以前よりも少しだけ柔らかかった。


けれど、すぐに次の魔物が現れる。


アリシアは再び剣を構えた。


「ここは、通しません」


◆


戦場では、冒険者たちが徐々に押され始めていた。


「魔物が多すぎる!」


「このままじゃ門が突破されるぞ!」


「援軍はまだか!」


そのとき、遠くから小さな岩の魔物が転がってきた。


クイックロックだ。


通常のローリングよりも身体が小さく、トゲトゲした姿。


高速で転がり、冒険者たちへと突っ込んでくる。


「避けろ!」


冒険者たちは左右に飛び退いた。


クイックロックは勢いを止めると、身体を持ち上げて強烈な体当たりを放つ。


「ぐっ……!」


盾で受けた冒険者が、後ろへ押し込まれた。


さらに、ブラストロックが魔力を溜め始める。


「まずい! あいつを止めろ!」


魔法使いたちが攻撃を放つ。


しかし、別の魔物たちが邪魔をして、なかなか近づけない。


「リリアさん!」


冒険者の声が聞こえた。


私はすぐに振り向く。


「こっちは任せて!」


風の魔法で魔物たちの動きを止め、剣を構える。


「えいっ!」


一閃。


クイックロックが倒れる。


続けて、ブラストロックへと駆ける。


魔力が膨らんでいく。


「……間に合って!」


私は剣を振るった。


ブラストロックが爆発する直前、その身体が崩れ落ちた。


爆発は起こらなかった。


「……ふう」


私は息を吐く。


でも、周囲にはまだ魔物がたくさんいる。


「……本当に、数が多いね」


◆


夕暮れ。


街の外では、まだ戦いが続いていた。


冒険者たちは疲れ始めている。


騎士たちも、何度も魔物を押し返していた。


それでも、魔物たちは退かない。


「……このままじゃ、持たないぞ」


誰かが呟いた。


その言葉に、周囲の者たちも黙り込む。


街を守るために戦っている。


けれど、魔物の数は減るどころか、まだ増えているように見えた。


私は剣を握り直した。


「……まだ、終わってない」


街の中には、守るべき人たちがいる。


そして、今も戦っている人たちがいる。


「……頑張ろう」


私は再び前へ出た。


◆


その頃。


街から少し離れた場所。


魔物たちの群れを見つめる、ひとつの影があった。


人のような形をした影。


その姿は、夕暮れの闇に溶け込んでいる。


影は、街の方を眺めていた。


そして、楽しそうに呟く。


「……ふふ」


「まだまだ、これからだよ」


その声は、誰にも聞こえなかった。


街を包む戦いは、まだ終わらない。



今回も読んでいただき、ありがとうございます!


街を守るために戦う冒険者や騎士たち。魔物の数が多く、戦いはなかなか終わりません。


そして、アリシアもまた、もう一度騎士として立ち上がりました。


よければ感想やブックマークで応援していただけると嬉しいです!


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