↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星追いの少女、世界を旅して無双する  作者: 宵月
星を失った騎士と、星を追う少女
PR
15/26

第十五話 騎士の小さな一歩

今回は、リリアとアリシアが薬草採取へ。

少しずつ前を向き始めたアリシアですが、森では何やら不穏な動きが……。


次回もぜひお楽しみください!


 朝。


 私は、いつものようにアリシアさんの家を訪ねていた。


「アリシアさん、おはようございます!」


「……リリアさん。おはようございます」


 扉を開けたアリシアさんは、少しだけ微笑んだ。


「今日は、何か予定がありますか?」


「はい! 今日は採取依頼を受けようと思っているんです!」


「採取依頼……ですか?」


「森に薬草を採りに行くんです。よかったら一緒にどうですか?」


 アリシアさんは少し考えた。


 そして。


「……そうですね。私も一緒に行きましょう」


「本当ですか!?」


「はい。少し、外を歩きたいと思っていたので」


 私は嬉しくなった。


 アリシアさんが、自分から外へ出たいと言ってくれた。


 それだけでも、なんだか嬉しい。


 ◆


 冒険者ギルドへ向かうと、受付のお姉さんが笑顔で迎えてくれた。


「おはようございます、リリアさん。今日はどの依頼を受けますか?」


「えっと……薬草採取の依頼はありますか?」


「はい。森の奥で採れる薬草が不足しているので、ちょうど募集していますよ」


 私は依頼書を受け取った。


 森の奥に生える薬草を、指定された量だけ採取する依頼。


 魔物の討伐は必要ない。


 これなら、アリシアさんと一緒にのんびり歩けそうだ。


「これにします!」


「分かりました。気をつけて行ってきてくださいね」


 依頼を受けて、私たちは町を出た。


 ◆


 森の中。


 木々の間から日差しが差し込み、風が葉を揺らしている。


「わあ……気持ちいいですね!」


「……そうですね」


 アリシアさんは周囲を見回していた。


 その姿を見て、私は少し不思議に思った。


「アリシアさん、森に来るのは久しぶりですか?」


「いえ。騎士だった頃は、森での任務もありました」


「そうなんですか!」


「はい。……ただ、最近はこうしてゆっくり歩くこともありませんでした」


 アリシアさんは、少しだけ空を見上げた。


「……悪くないですね」


「ですよね!」


 私は笑顔で頷いた。


 森は、歩いているだけでも楽しい。


 知らない植物を見つけたり、鳥の声を聞いたり。


 師匠と暮らしていた山でも、よくこうして歩いていた。


 ◆


「……あ、ありました!」


 私は地面に生えている薬草を見つけた。


 依頼書に描かれていたものと同じだ。


「これを採ればいいんですね!」


「ええ。根を傷つけないように採るといいでしょう」


「分かりました!」


 私はしゃがみ込んで、薬草を採取した。


 その後も、森の中を歩きながら薬草を集めていく。


 途中、少し大きな木の根元に、珍しい花が咲いていた。


「わあ! 綺麗な花!」


「……本当ですね」


 アリシアさんも足を止めた。


 しばらく二人で、その花を眺めていた。


 ◆


 そのとき。


「……あれ?」


 私はふと、周囲を見回した。


 いつもなら、森の中には魔物がいる。


 でも、今日はほとんど見かけない。


「アリシアさん。最近、この森って魔物が少ないんですか?」


「……そういえば、そうですね」


 アリシアさんも周囲を見た。


「以前は、もっと魔物の気配があったように思います」


「ですよね?」


 私は首を傾げた。


 魔物が少ないなら、依頼も楽になる。


 でも、どうしてだろう。


 少しだけ、不思議な感じがした。


 ◆


 森の奥。


 私たちが薬草を採っている場所から、少し離れたところ。


 木々の陰に、小さな影がいくつか動いていた。


 その影たちは、魔物の群れを眺めている。


「ねえねえ、もっと集めようよ!」


「えー? もうこんなにいるじゃん!」


「もっともっと! いっぱい集めた方が面白いよ!」


 楽しそうな声。


 まるで遊びの相談をしているようだった。


 その近くでは、魔物たちが次々と集まっていた。


 彼らにとっては、ただのいたずら。


 けれど。


 その遊びが、どれほど大きな騒ぎを引き起こすことになるのか。


 まだ、誰も知らなかった。


 ◆


「リリアさん」


 アリシアさんの声で、私は顔を上げた。


「そろそろ戻りましょう。薬草も十分に集まりました」


「あ、はい!」


 私は採取した薬草を袋に入れた。


 そして、アリシアさんと一緒に町へ戻る。


「今日はありがとうございました、アリシアさん!」


「……いえ。こちらこそ」


 アリシアさんは、少しだけ笑った。


 その表情を見て、私は嬉しくなった。


 少しずつ。


 本当に少しずつだけど。


 アリシアさんは、前を向き始めている。


 私はそう思った。


 ……けれど。


 森の奥では、魔物たちが静かに集まり続けていた。

今回も読んでいただき、ありがとうございます!


少しずつ前を向き始めたアリシアと、森で感じた不思議な違和感。


町の周辺で何が起きているのか……?


次回もぜひお楽しみください!


よければ感想やブックマークで応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。