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悪女として処刑された私、猫に転生したので破滅フラグを回避します  作者: ゆずこしょう
処刑をされないために……

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困ったにゃ。右も左も分からないにゃ。

ロベリアに箱ごと捨てられて、


箱から出られたのは、かなり時間が経ってからだった。


馬車の中から箱ごと捨てられたのだ。


普通だったら箱が壊れるものではないのかと思ったが、


相当頑丈な作りになっていたらしい。


「ふぁぁ~やっと外に出られたにゃ!」


箱の外に出ると、大きく伸びをする。


いつも爪で誰かを引っ掻くことがないように綺麗に整えていたことを、


この時ばかりは後悔した。


「吾輩のプリチーな毛並みが真っ黒だにゃ。


まるでパキラみたいにゃ……」


正直、箱から出ることに集中していたため、


今の状況が把握できていない。


ただ言えるのは、昼下がりということだけだ。


しかしこの昼下がり……


捨てられてすぐの昼下がりなのか、


何度か回ってきたあとの昼下がりなのか……


全然分からなかった。


「きっとここはどこかの森かにゃ……


まずは森を抜ける前に腹拵えにゃ」


猫なら鼠でも取ってくればいいのだろうが……


中身が人だからか、どうも食べる気は起きない。


仕方なく、そこら辺にある木の実などを食べる。


「ふぅ……少し落ち着いたにゃ。


あとは水があれば良いのににゃ……」


やはり女の子。


見た目が少しばかり気になるものである。


このままここにいても仕方ないと感じた私は、


森の中を歩きながら現状を把握することにした。


「どこをどう見ても木と草ばかりにゃ……


とりあえず……こっちに向かってみるにゃ」


ロベリアのにおいでも辿れば行き着けるのではないか……


そう思ったが、まったく思い出せなかった。


もう少し気にかけておけばよかったと、今になって後悔しかない。


いつも一人で歩いているときは、


大抵パキラが傍にいてくれた。


だからか、少し心細さを感じる。


せめて猫でも人でも、他の動物でも何でもいい。


そう思って歩いてみたものの、


聞こえてくるのは草木が揺れる音だけだった。


「ここは~どこだにゃ~♪


だれか~いないかにゃ~♪」


歩き始めて、どのくらい経っただろうか。


少し陽が落ちてきて暗くなってきた。


それでも――


本当に、生き物の気配が一切ない森だった。


せめて水飲み場のようなところがあれば……


そう思ったが見つからず、


大きめの木の上で休むことにした。


***


今日一日、皆で走り回った結果、


孤児院で配られた飴はすべて回収できたと影から報告があった。


「本当にこれで全部なんだろうな……」


正直、配られたものは回収できたとしても、


元の数がわからない。


これで爆発が回避できたとは考えにくい。


「配られた分はこちらで全てですが、


もしそれ以外にも存在しているとなると……まだわかりません」


「いや、そこは少し慎重に行こう。


とりあえず、お前はロベリアの痕跡を辿ってほしい。頼めるか?」


影に指示を出すと、頷いて姿を消した。


影といっても、それぞれ使える魔法は違う。


今の者は幻影魔法が得意だし、


俺のように変身魔法が使えたり、


透過魔法が使える者など様々だ。


とりあえずブラオベーレに手紙を書き、


今日あったことをエリオントに伝えるため、隣室を訪ねた。


「そういえば今日はエディに会わなかったな……


いつものエディなら自分で突っ込んでいきそうなものなんだが……」


何か用事でもできたのかと思い、


その時はそこまで気にしていなかった。


エリオントから話を聞くまでは――


「エリオント。今いいか?」


「パキラか。今日はどうだった?


何か進展があったか?」


エリオントの前に、一粒の飴をことりと置く。


「原因はこれだ」


飴を手に取り、「これか?」と聞いてくる。


やはり誰が見ても、ただの飴にしか見えないようだ。


本当によくできている。


「大帝国トライアルで作られていた兵器。


小型爆弾を覚えているか?」


その言葉ではっとしたのか、


飴玉を慎重に開いていく。


中身を見ても、ミルクキャンディーのような白い色をしていて、


とてもおいしそうに見える。


「恐らく、胃の中で溶けると爆発する」


子供たちを爆発させ、


それを国家反逆に仕立て上げるつもりだったのだろう。


そう伝えると、エリオントはすべてを理解したようだった。


「あともう一つ。


孤児院の院長に、いつも来ている女性は誰か聞いたんだが……」


「もしかして……フランチェスカ……か?」


目を見開いて近づいてくるエリオントに、


「そういうことだ」とだけ答える。


「元々裏で動いていたのはカトレアで、


カトレアはフランチェスカの名前を使って孤児院へ行っていた……ということだな。


これで全て繋がった。


ということは、王宮で起きていることは……?」


「恐らく……カルミアの独断だろう。


カトレアは魅了魔法が使える様子ではなかった。


だから飴を使ったんだろうな」


以前、王宮で見た魅了魔法の暴走の話も合わせて伝えると、


エリオントは「なるほどな……」と考え込んだ。


「パキラ。


ちなみに今日、孤児院を回っているとき、


エーデルワイスを見なかったか?


フランチェスカが言っていたんだ。昨日から帰ってこないと……」


「は!?」


今日来ていないのは用事があるだけだと思っていたが、


どうやら違うらしい。


首を横に振ると、


「やはりか……」と返ってきた。


「パキラ。仕事を増やしてすまないが、


エーデルワイスを探してくれないか?


その……フランチェスカも心配しているのだ。


できれば、その憂いを取り除いてやりたい」


確かに、最近はエディと一緒にいるのが当たり前になっていた。


それだけに、少し心配だ。


何も考えずに突っ込んでいく性格だし、


どこかで捕まっていないといいのだが……


俺はため息をつき、


「わかった」とだけ答えた。

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