12.
ウィルバーは丸太小屋の中で目を覚ました。
「あれ……ここは……」
死後の世界にしてはいやにリアルだと見回していると、巨大な男と目があった。
「ヒッ!」
男はのっそりとウィルバーに近づく。
「◯*≠△※∈∴□」
「えっと……?」
「……」
「……」
互いに口を開いた言葉で、互いの言語が通じないことがわかった。
コードはコップに水を入れてウィルバーに渡すと、飲む動作をした。
「飲んで……いいってことかな?」
ウィルバーが恐る恐るコップに口をつける。
唇に当たる水気は久しぶりだ。
――うまい! なんてうまい水なんだ!
がまんすることはできなかった。
ウィルバーは急いで水を喉に流し込む。
「ぷはっ! 水だ……久しぶりの水……」
あまりに嬉しくて、ウィルバーの目から涙があふれた。
するとコードはコップを指差して、その指を天井に向ける。
1を表す指の動き。
次に、先程と同じように飲む動きをした。
「もう一杯、もらえるの!?」
ウィルバーの喜ぶ顔を見たコードは、言葉がわからなくても意味が通じたことが理解できた。
ウィルバーが持つコップへと水を与えながら、森で採ってきた果実を渡す。
「え……でも」
戸惑っているウィルバーを見たコードは、言葉の通じないウィルバーはこの果実の食べ方を知らないと思い、果実を手に取ると、握力だけで真っ二つに割った。
そして食べる仕草を見せて、割った果実をウィルバーに渡した。
「リンゴくらいはわかるよ! ……ありがとう……ありがとう」
言葉は通じない。
でも、ウィルバーが泣きながら水と果実を食べる姿を見て、コードは感謝されているとわかった。




