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11.
大柄の男がウィルバーを店の床に落とした。
「コード、ちょっとあんた、なにぃ? うちの店にそんな小汚いもん、持ってこないでよ!」
女店主であるアドルファは煙管のタバコをふかしながら言った。
「これ、拾った」
「あのねえ。あたしがいくら買取ることが商売だって、さすがに人間は買取らないわよ! しかもそれ、死んでない? いやよ、外に捨ててきて」
「こいつ、これ、持ってた」
大柄の男、コードはアドルファの前にある机にコロコロと鉱石を置いた。
「は……レーア・エルツじゃない。しかもこれは色が入ってる……」
アドルファは夜明けの色を閉じ込めた鉱石を持ち、天井から降り注ぐ光に透かした。
鉱石の中には無数のきらめきが閉じ込められている。
「きれいじゃないか……」
アドルファはしばらく鉱石を観察してから、横にある引き出しから金を出して、机に置いた。
「はい」
「……」
コードは何も言わず、金を受け取るとそのまま店を出ていこうとする。
「ちょっと待ちなさいよ! これ、置いてかないでって言ってるでしょ!」
アドルファが煙管の先でウィルバーを指した。
「……」
コードは返事をすることなく、ウィルバーを抱えて店を出た。




