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10.
――色が見たかった……
ただそれだけなのに、ウィルバーは洞穴の奥で身を潜めていた。
外に出てまた殴られて金を奪われるかと思うと怖くなった。
一人でただじっとしているだけ。
「なんで、こんな……」
そうつぶやきながら、ウィルバーは夜明け色のレーア・エルツを取り出す。
「もっと色、見たかったなあ……」
光の届かない洞穴の奥では、レーア・エルツの輝きは見えない。
でも、外に出ることは怖くてできない。
――親方、ごめんなさい……
食べ物も飲み物も底をついた。
ウィルバーはゆっくりとまぶたを閉じる。




