きゅうけいさんはみんなと吞む
自宅療養してました、元気になったのでまた更新再開していきたいです!
「それでは! えーっと、そうだなー、きゅうけいさんの回復を祝して!」
「乾杯……って病室に運び込まれてたの、庵奈もじゃん」
「いーのいーの、細かいことは気にしない!」
「全然細かくないので、私は庵奈の回復に乾杯しよう」
「真面目かっ」
はい、現在私はお洒落な感じのレストランに来ています。
レストランとはいいつつ、ここは特別なメニューがありまして。
それはですね。
ワイン飲み放題です。
沢山並んであるワインの棚に行き、自分で注いで飲み比べが出来るという、もうほんと最高のお店。
もちろんこういうのに詳しいのは庵奈。
「いいお店だね、いつ知ったの?」
「つい先日だよー、チェックしてただけで実際に来るのは初めてだけど、当たりだったねー」
「時間いっぱい飲み比べたいね。みんなもう持った? それじゃ、乾杯!」
私の言葉に、次いで「乾杯!」と五人の声が響く。
はい。
今回はミーナちゃん、ビーチェさん、パオラさん、イデアさん、クローエさんの五人が来ております。
超美人の五人組。存在感がありすぎて、他の席のお客さんがちらちら見てます。
とはいえ、さすが庵奈の選んだお高めのお店。
外国人客が珍しくないからか、そこまで注目は浴びてません。
そりゃそうだよね、私もビールのお店行ってアメリカ人がビール吞んでても特に何も思わないし。
他のお客さんにとってのこの席がそんな感じ。
あっ、外国人おるな? って反応でおしまい。
ただクローエさんの大きさはかなり注目度高め。結構ちゃんと女性に見えるからね今。
さすがに2メートル近い女性は注目の的です。
目立つ反面、男除けには最強。こんな長身がいたら、イデアさんを見てもナンパに誘う男は寄りつきませんとも。
ありがとうクローエさん、日本でもマジ王子様系です。
「いやー、こうしてぱーっとイケてる女子会で集まれてよかったわー。こーゆー店に男と来るのは」
「確かにちょっと違うよね」
お洒落なお店はデートと相場が決まっているけど、そういうおいしいお料理あるお店でたくさん吞みたいという気持ちもある。
その要望を両方叶えたお店というわけだ。
「おっ、まずは前菜からだね」
そこから次々に現れる料理の数々。
サラダを食べて、スープをいただいて、メインのひとつであるお魚がやってきます。
「これ! この赤! あの変なシカっぽい絵のワイン、すっごく美味しいわ!」
既に三杯目のビーチェさん、いい飲みっぷりです。
悲恋の人魚は遥か彼方、この怪力人魚さんは以前も思いっきり酔ってましたね……。
そういえばみんながどれぐらいアルコールに強いかは知らないままだった。
今は酔ったところでレベル9000台の怪力はないとはいえ、あんまりお店に迷惑かけるレベルの酔い方は避けたいところ。
ま、さすがに悪酔いしたら周りで止めると思う。
「はいはい、甘いの好きなのね? ところできゅうけいさん、ちゃんと吞んでる?」
「もちろんだよー。パオラさんは酔わない方?」
「弥々華と一緒にいると結構吞むのよね」
あっ、そういえばそうでした。
お二人は露天風呂で日本酒の仲良しさんでしたね。
「本当に美味しいわね〜。でも、ちょっと暑くなってきたかしら……」
イデアさんはくいっと吞んだ後、上着を思いっきり脱ぎました。
脱いだ瞬間、めっちゃ跳ねました。
そのままワイングラスを持って次のワインを選びに行きました。
はい。
言うまでもなく、男性の視線独り占めしちゃいましたね。
夫婦の方、どうか旦那さんを怒らないであげてください。
カップルの方、まじでごめん。
「イデアさんはお酒好きな方です?」
「私はどちらかというと、吞むより吞ませる方が好きかな〜? 酔ってる人を可愛がるのって楽しいので」
淫魔女王様!
やっぱこの人、天然で男転がしちゃう人!
「……嫌な事件を思い出してしまった」
イデアさんの言葉に反応したのは、クローエさん。
「クローエ、今日は飲み放題よー? せっかくお店を選んでくれたきゅうけいさんのためにも、たっくさん吞むべきじゃなぁい?」
「そ、それはそうなんだけどな……前みたいに酔うのは……」
「抱きつきながら膝枕するクローエ、可愛かったのにぃ」
被害者クローエさんでした!
そっか……クローエさんは酔い潰れると甘え系になるのか……。
いいですね、ギャップ萌えですね……。
お喋りしながら料理は進み、メインのお肉がやってきました。
すっごくいい香り! 肉厚ステーキにソースがかかってて美味しそう!
「ミーナちゃんはどう? お口に合う?」
「もちろんです。とても美味しくて、ルマーニャのレストランとも遜色ないですね……! 私だけやってきたのが申し訳ないぐらいです」
そう、このミーナちゃんはかつての村娘その1みたいな女の子ではない。
人類最強の勇者の姉であり、当然それなりに凄いリッチな生活を送っている子です。
正直、安いタイプのチェーン店とかには迂闊に案内できないなーって思ってた。
なので、こうして料理に満足いただけたのはほんと一安心。
サンキュー庵奈、困った時はマジ頼りになる。
あとミーナちゃん普通に超ザルというか、なんか吞むペースすげー早いのに、顔が赤くもなってない。
安定感すごい。
「さて、支払いなんだけど」
「予約前払いだったから、クレジットだよ。ま、快気祝いってことで」
「マジで? えっ、めっちゃ助かる」
もちろんワインの飲み放題なんてコースメニューが安いわけもなく。
さすが庵奈のチョイスだけあって意外とリーズナブルなコースではあるものの、全員分となると結構いいお値段である。
「ところでさー」
と、ここで庵奈がミーナちゃんの方を見た。
「ミーナ女史の分も出す以上、お話を聞かせてもらうぐらいは要求してもいいよねー?」
「あっ、もちろんですアンナさん。私の話でよろしければ、いくらでもお聞きくださいませ」
そういやミーナちゃん連れてくるのは私の希望でもあったからね。
仮に折半になったとしても支払ってもらうのは申し訳なさあるぐらいだし。
「それで、話なんだけど」
「はい」
「実は四人にも聞きたいんだけどね。いい機会だから、能力で逃げ出せないこの場で」
……んんん?
何だろう。
「みんな何年も一緒だったと聞いてたから、今の人間きゅうけいさんの印象、おねーさんこの場で聞きたいなぁ〜〜〜〜!」
ここに来て羞恥プレイ捻じ込んできやがりましたね!?
「ちなみに支払い私なので拒否権なしだよー」
や……やられたーっ!






