相談
占い4位
一週間はあっという間に過ぎた。
そして土曜日、美雷ちゃんと約束をした日である。昨日の夜、
『じゃあ、イチマルマルマルにカフェ・リンリンに集合ねっ!深鈴はこっちで呼んどくから!……リンリンってどこ?』
とメールが来た。リンリンまでの地図を送り、眠ろうと思ったが楽しみすぎて寝付けなかった。だってデートだよ?しかも2回目!
というかイチマルマルマルって……!普通、ヒトマルマルマルだろ。間違え方が可愛いな。
寝不足で目の下に分厚いくまをつくった俺がリンリンの前で美雷ちゃんを待ち始めたのは、9時30分。美雷ちゃんまだかな。
9月だというのにまだまだ暑い。じりじりと照りつける日差しの中、本を読みながら(携帯電話をいじっているよりもイケメンに見えると聞いたことがある)、美雷ちゃんを待つ。
すると、白衣、無地の白いTシャツ、とても短い短パン、フリフリがついた日傘、という白衣がなければ無難な格好をした深鈴が来た。
「コウ?何やっているの?」
「深鈴!何って、美雷ちゃんを待ってるんだけど」
「早すぎ。熱中症になるよ、中に入りなさい。美雷には中にはいるように言っておくから」
「あ、じゃあお願い」
……言っておく?メールしておく、じゃなくて?メールで言っておく、ということか?
それより、呼び捨てで呼び合う二人の関係が気になるが、暑いのでリンリンの中に入ることにした。やっぱりお客さんはいないんだ。
「あら晃一くん、いらっしゃい。外は暑かったでしょ、このレモン水でも飲んで」
深鈴ママ特性のレモン水をいただく。
酸っぱくて、冷たくて、ほんのりと甘くておいしい。
「お塩をちょっぴり、隠し味でいれるのがポイントよ〜」
確かに、言われてみればしょっぱい、かも?
「コウ、美雷は遅れてくるらしいよ。なんか、「急ぎで調節しないといけない事態が発生したんだよ〜も〜せっかく準備したのになんでよりによってこんなときに〜」とか言っていた」
「ええ!?まあしょうがないか……」
「でもコウは、美雷と一緒に話を聞きたいよね?だから、美雷が来るまで雑談でもしていようか」
「うん、わかった」
深鈴もレモン水を頼み、店の端の四人席に座る。
「それじゃあ聞くけど、深鈴、今日の服はどうやって選んだの?」
「えっと、最初に着ていた服は「絶対に変だからやめて!」ってママに大反対されたから、ママに決めてもらった」
「なるほど。深鈴にしてはセンスがいいと思った」
「失礼な!」
ぐい、とレモン水を一口飲む。深呼吸。
「それでさ。……深鈴、超能力についてまだ隠してることあるだろ?」
1秒。
2秒。
3秒。
ふふ、と深鈴が笑った。
「ばれちゃった?」
「うん」
「でも、たいしたことではないよ。それでも聞きたい?」
もちろんだ。激しく首を縦に振る。
「ちょっと重い話だからね」
◇◇◇◇◇
超能力者は、一人の男性から始まったと言われている。これは、もう美雷から聞いたのだよね?
ここからが多分コウにとっては初めての情報になると思うのだけど、その男性はたくさんの超能力を持っていた。そう、たくさん。いくつかは忘れちゃったな。
え?深鈴が忘れることがあったなんてって……ひどいな。だってこれは、読んだことじゃあないのだから。とある人から聞いたのだよ。
それで、どこまで話したのだっけ?そうそう、初代がたくさんの超能力を持っていたというところだ。やがて初代はある女性との間に子をもうけ、女の子を3人、男の子を一人授かった。そのうちの女の子3人だけに超能力が備わった。そうだな、だいたい3等分する感じで。
そこで、なぜ超能力者は全員心が少しずつ読めるのか、ということにつながってくる。さっき、だいたい3等分って言ったよね。そう、初代の持っていた能力はきっかり3ではわれなかった。ひとつだけ、余ってしまったのだよ。いや、それは少し違うな。ひとつだけ、強力すぎて2つに分けざるを得ないほどの能力があったのだ。それが、心を読む能力。
あ、そう、思い出した。初代は10個、能力を持っていたのだった。
私の能力は心を読むことに特化している。それは、分配された心を読む能力に加えて、もう一つの心を読む能力を受け継いだからなんだ。そう、受け継ぐ。
ここから重い話だからね。




