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説明

 飴を口に含み、一息ついた紫野さんに俺は話しかけた。


「で、紫野さん。君の超能力についてもうちょっと詳しく教えてくれない?」


「ええ~?さっき説明したじゃん。宙に浮いて、電気を操ってたでしょ?」


「はい説明されましたねその通りです……じゃなくて!俺が教えてほしいのは、電気を操って何をしてたかってことなんだけど」


「それはさっきの質問が悪いでしょ~」


 ごめんなさい。どーせ、深鈴のお墨付きで国語力が無い人ですよ。


「えっとね?私は、毎日こういう高いところに上って、電気を操ってるの。で、晃一君が聞きたいのは、電気を操って何をしてたか、ってことだよね。ざっと言うと、この世界の理からはみ出しちゃった電気を操作して、あるべきところに戻してるの。浮いてるのは、静電気の影響」


 なるほど。


「この役割はねえ、すっごく精密な操作が必要なんだよね。普通の人がやろうとすると、1日分の電気を操るだけで3日かかっちゃうんだよね~。それを10分ほどで終わらせてるんだから、私すごいでしょ?」


 うんすごいすごい。


「そういえば紫野さん、髪の毛ストレートになってない?」


 紫野さんの金色の髪の毛は、8時に正門で会った時と比べて非常にまっすぐになっている。


「おおっ!よく気づいたね。そう!私の髪の毛は、はみ出しちゃった電気の分、静電気でぶわああってしちゃうんだよ!だから調節した後はすっごくまっすぐなんだけど、調節する直前になるともうすごいことになるの。なんかもう、髪の毛で顔が見えない感じだったでしょ?」


 確かに。


「それじゃあ紫野さん、深鈴が超能力者だって言うのはどういうこと?」


「あーそっか、知らないんだっけ。……教えてあげたいのはやまやまなんだけど、やっぱり個人情報をばらすなんて無粋なことはしたくないんだよね。だから、今度本人の口から聞いて?」


「今聞く」


「はえ!?行動力すご!」


 ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。ぷるぷるぷる。

 紫野さんが叫んでいるのをバックに、俺は深鈴に電話を掛ける。3コールで出た。


「もしもし深鈴?」


「もしもしコウ、どうしたの?」


「いや……その、えっと……」


 いざ聞くとなるとちょっとためらってしまう。だって深鈴が超能力者じゃなかったら、俺、ただの厨二病引きずってる変人になっちゃうし。


「何?早く言ってくれない?……ちなみにコウ、私が超能力者っていうのは本当だよ」


「マジ!?」


「マジ。じゃあ、用がないなら切ってくれる?そこに美雷いるでしょ。美雷に私のこと聞いたらいいから。別にそんな重要な情報は美雷に話していないし」


「はーい、じゃあ切るねー」


 つーつーつー。

 電話が切れた。そして俺は紫野さんに向き直る。


「深鈴のことと超能力のこと、詳しく教えてくれる?」


 紫野さんが話したことをまとめると。


 ・超能力者は基本的に少しは心を読むことができる。プラス、独自の能力がある。

 ・深鈴は心を読むことに特化しているため、心を読むことしかできない。だけど半径20km以内だったら無敵。

 ・奏音ちゃんはまだ子供なので心を読むことしかできない。

 ・超能力者は昔々、一人の先祖から始まったと言われている。

 ・超能力は男性に発現することはめったにない。が、初代超能力者は男性だったのでありえなくはない。


 だそうで。


「晃一くん、まだいるんだよ、超能力者。戦闘能力あったり、自然を操れたりする子たちがね」


「それがどうかしたのか?」


「もう、ほんとに鈍いなあ。晃一くん、ゲーム好きでしょ?」


「まあ程々には……」


「ゲームってさ、いっぱいスキルあったり、強い仲間がいると、俺TUEEE!ってできるじゃん?超能力使えば、それが再現できちゃうんだよ?」


 おおおお……!すっごい!やりたい!TUEEEしたい!


「じゃあさ、超能力持ってる子達を探しに行こうか!」


「お、おう!……って、超能力者のいる場所わからんの?」


「んう〜、深鈴ちゃんならわかるんじゃないかなー。半径20km以内にいる場合、だけど」


「ふーん。じゃあ早速深鈴に聞いてみ」


「晃一くん!もう夜遅いから、明日にしよ?あ、でも明日は学校があるんだっけ。じゃあ、次の連休ね!ちょうど今週末だし!」




 紫野さんと今週末に会う約束を交わし、家路につく。

 俺は先程紫野さんと交わした言葉を思い出していた。


「晃一くん、今日はありがとね。お礼に、美雷ちゃんって読んでいいよ!私だけ下の名前で読んでるのもなんだか不公平だし」


「マジすか!?ありがとうございます!」


 鼻息荒く礼を述べる俺に、紫野さん改め美雷ちゃんはにまあっと笑っていたのだった。

次回、学校にて……?

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