第99話 崩壊
「……終わりか」
ガルドの声。
力が、ない。
「……」
返事はない。
あるはずもない。
すでに。
決着は、ついている。
「……」
戦場。
静まり返った空気。
その中で。
ガルドたち元パーティは、立ち尽くしていた。
「……」
誰も、動かない。
「……なあ」
後ろの一人が、口を開く。
「……俺たち」
「……何やってたんだ?」
「……」
答えは、ない。
「……」
別の男が、笑う。
乾いた。
壊れたような笑い。
「はは……」
「……全部、あいつだったってことかよ」
「……」
視線が、レインに向く。
「……」
そこにいるのは。
圧倒的な存在。
「……」
思い出す。
これまでの戦い。
違和感。
「……そうか」
ガルドが、呟く。
「……回復も」
「……連携も」
「……全部」
「……」
喉が、詰まる。
「……あいつが、やってたのか」
「……」
誰も否定できない。
できるはずがない。
「……」
そして。
理解してしまう。
「……じゃあ」
震える声。
「……俺たちは」
「……何もしてなかったのか?」
「……」
沈黙。
それが、答えだった。
「……」
崩れる。
内側から。
「……」
一人が、膝をつく。
「……ふざけんなよ」
小さな声。
だが。
重い。
「……俺は」
「……頑張ってたはずだ」
「……」
だが。
現実が、否定する。
「……」
ガルドも、歯を食いしばる。
「……違う」
「……違うはずだ」
否定。
必死に。
「……俺たちは」
「……ちゃんとやってた」
「……」
だが。
脳裏に浮かぶ。
レインの姿。
何気ない動き。
何気ない支え。
「……」
気づかなかった。
いや。
気づこうとしなかった。
「……」
その結果が――
これ。
「……」
ガルドの肩が、震える。
「……取り返せるか?」
誰にともなく、呟く。
「……」
答えは、ない。
分かっている。
聞くまでもなく。
「……無理だな」
自分で、答える。
「……」
遅すぎた。
すべてが。
「……」
視線を上げる。
レイン。
もう、遠い存在。
手の届かない場所。
「……」
何も言えない。
言える資格もない。
「……」
ただ。
残るのは――
後悔。
それだけ。
「……」
誰も、立ち上がれない。
もう。
前に進めない。




