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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第90話 静寂

夜が、明ける。


空は、淡く白い。


だが――


静かすぎた。


「……」


王都の外。


広がる平原。


その手前に――


王国軍。


整列。


一糸乱れぬ陣形。


誰も、口を開かない。


「……」


重い。


空気が、重い。


「……来るわね」


カレンが、低く呟く。


「ええ」


リリアも頷く。


「もう、すぐです」


ミアは、ぎゅっと杖を握る。


「……」


震えている。


だが、逃げない。


「……」


その時。


遠く。


「……」


地平線の向こう。


黒い線。


「……見えた」


誰かが呟く。


それは――


軍。


大軍。


地を埋めるほどの数。


「……」


ざわめきが、広がる。


だが。


すぐに消える。


「……」


誰もが理解している。


これが――


現実。


「……」


カレンが、歯を食いしばる。


「……多すぎでしょ」


「はい」


リリアの声も、低い。


「想定通り……いえ、それ以上です」


「……」


ミアが、小さく呟く。


「怖いです……」


「……」


誰も、否定しない。


できない。


「……」


その中で。


「多いですね」


場違いな声。


「……」


カレンが振り向く。


「今それ言う?」


「事実なので」


「そうだけど!」


「……」


レインは、ただ前を見ている。


いつも通り。


何も変わらない。


「……」


リリアが、その横顔を見る。


そして。


小さく、息を吐く。


「……」


わずかに。


肩の力が抜ける。


「……大丈夫ですね」


「何がよ」


カレンが聞く。


「この人がいるので」


「……」


一瞬、沈黙。


「……まあね」


カレンも、観念したように言う。


「もうそこに賭けるしかないわ」


ミアが頷く。


「はい!」


「……」


その時。


敵軍が、止まる。


距離を置いて。


対峙。


静寂。


風の音だけが、通る。


「……」


世界が、息を止める。


そして――


「――進め」


遠くから。


低い号令。


「……」


空気が、震える。


次の瞬間。


すべてが、動き出す。

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