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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第89話 総動員

「――全軍、配置につけ!」


号令が、王都に響く。


夜。


だが、街は眠らない。


灯り。


行き交う人影。


運ばれる武具。


「急げ!時間がない!」


「補給を前線へ回せ!」


怒号と指示が飛び交う。


王国総動員。


その言葉通り。


すべてが動いていた。


「……すごいです」


ミアが、思わず呟く。


「街全体が動いてるみたいです」


「実際そうよ」


カレンが周囲を見渡す。


「これが“戦争”」


「……」


重い言葉。


リリアは、静かに前を見ている。


「……」


王城の上。


旗が揺れる。


その下で。


「防衛線、最終確認完了しました!」


「よし、各部隊へ伝達!」


騎士たちが、次々と走る。


「……」


張り詰めた空気。


誰もが理解している。


明日。


すべてが決まる。


「……」


カレンが、小さく呟く。


「逃げ場、ないわね」


「ええ」


リリアも頷く。


「ここで止めなければ」


「終わりです」


「……」


ミアが、ぎゅっと手を握る。


「頑張りましょう」


その声は、小さい。


だが。


確かだった。


「……」


その時。


「――最終報告!」


騎士が駆け込んでくる。


「敵軍、進軍を開始!」


「到達予測――明朝!」


「……」


空気が、凍る。


ついに来る。


「……」


カレンが、ゆっくりと息を吐く。


「早いわね」


「はい」


リリアの声も、低い。


「予定より、半日早い」


「……余裕ないわね」


「ありません」


「……」


沈黙。


重い。


押し潰されるような空気。


その中で。


「そうなんですね」


いつもの声。


「……」


カレンが振り向く。


「今の流れでそれ?」


「来るなら、ちょうどいいですね」


「何がよ」


「待たなくていいので」


「……」


一瞬、止まる。


「……あんた」


「ほんとにブレないわね」


「そうですか?」


「褒めてないのよ」


ミアが笑う。


「でも安心します!」


「……それは分かるのよ」


カレンはため息をつく。


「この状況で平然としてるの」


「異常だけど、助かるわ」


「……」


リリアは、静かにレインを見る。


そして。


小さく、頷いた。


「……ええ」


「準備は整っています」


「……」


遠く。


夜の向こう。


見えないはずの場所に――


“敵”がいる。


確実に。


近づいている。


「……」


王都全体が、息を潜める。


嵐の前。


最後の静寂。

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