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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第77話 気配

「……少し、離れましょうか」


リリアが静かに言った。


王都の喧騒から、少し外れた通り。


「やっと静かになったわね」


カレンが肩を回す。


「さっきの、すごかったです!」


ミアが目を輝かせる。


「すごいのはいつものことよ」


「でも、今回は特にです!」


「まあね」


カレンは小さく笑う。


「完全に空気ひっくり返したもの」


「え?」


ミアが首を傾げる。


「どういうことですか?」


「さっきまでナメてた連中が」


「一気に下手に出てきたでしょ」


「あー!」


「分かりやすいのよ、ああいうの」


「……」


そのやり取りを、リリアは静かに聞いていた。


「……」


ふと。


足が止まる。


「どうしました?」


レインが聞く。


「……いえ」


少しだけ、視線を横へ。


大通り。


遠くに見えるのは――


王城。


「……」


一瞬だけ。


その目に、別の色が宿る。


「……懐かしいですね」


小さく、呟く。


「え?」


ミアが反応する。


「来たことあるんですか?」


「……」


一拍。


「昔、少しだけ」


曖昧な答え。


カレンが、ちらりと見る。


「……へえ」


「王都に?」


「ええ」


「……」


カレンは何も言わない。


だが。


少しだけ、納得したように目を細める。


その時。


「――失礼いたします」


低い声。


振り向く。


騎士。


整った装備。


明らかに、上位の存在。


「……」


騎士の視線が――


リリアに止まる。


一瞬。


ほんの一瞬だけ。


「……」


目が、揺れる。


だが、すぐに戻る。


「王都より、通達です」


「後日、正式な謁見の場を設けます」


「出席をお願いします」


「……分かりました」


リリアが答える。


「……」


騎士は、一礼して去る。


だが。


去り際。


もう一度だけ。


リリアを見る。


「……」


何かを、確かめるように。


そして、去った。


「……今の」


カレンが小さく言う。


「気づいた?」


「ええ」


リリアも静かに頷く。


「完全に“分かってる”目だったわね」


「……」


ミアがきょとんとする。


「何がですか?」


「……まあ」


カレンは肩をすくめる。


「そのうち分かるわ」


「?」


レインは、いつも通りだった。


「謁見、行きますか?」


「ええ」


リリアが頷く。


「行きましょう」


その声は、いつも通り。


だが。


ほんのわずかに。


重みが違った。

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