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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第76話 本物

「……今のを」


静かな声が、落ちる。


「見たか?」


ざわめき。


抑えきれない動揺。


「……消えたぞ」


「いや、違う」


「“処理された”」


「……」


言葉を選びながらも、理解が進む。


「……あれが」


誰かが、呟く。


「……本物か」


空気が変わる。


完全に。


先ほどまでの軽視は、消えた。


その代わりにあるのは――


警戒。


そして、敬意。


「……」


少し離れた場所。


先ほどの貴族の男。


その顔から、余裕は消えていた。


「……」


視線が、レインに向く。


言葉が出ない。


「……どうかしましたか?」


レインの声。


変わらない。


「……いや」


男は、なんとか言葉を出す。


「その……」


一瞬、迷い――


「……失礼をした」


頭を下げた。


「……」


周囲が、静まる。


カレンが小さく笑う。


「早いわね」


「ええ」


リリアも頷く。


「判断ができる方のようです」


ミアが小さく手を振る。


「気にしてません!」


「……」


男は一瞬だけ戸惑い――


「……感謝する」


そう答えた。


その時。


別の貴族たちが近づいてくる。


「……あの」


「少し、お話を」


「ぜひ、今後の関係について――」


一気に、態度が変わる。


「……」


カレンが呟く。


「露骨ね」


「分かりやすいとも言えます」


リリアは静かに言う。


「え?」


ミアが首を傾げる。


「どういうことですか?」


「“価値が分かった瞬間に動く”」


「それが、この場所です」


「……なるほどです!」


「納得するのね」


レインは、いつも通りだった。


「どうしますか?」


「どうするも何も」


カレンはため息をつく。


「とりあえず距離取るわよ」


「面倒になる前にね」


「はい」


リリアも頷く。


その時。


遠くから。


「……やはり」


低い声。


「報告以上だ」


使者の男が、静かに見ていた。


「……」


その目には、確信。


そして。


わずかな、安堵。


「……味方でよかった」


誰にも聞こえない声。

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