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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第75話 露見

「……来ます」


影が、動く。


一瞬。


距離が、消える。


「速――」


カレンの言葉が、途中で止まる。


その前に。


「――」


レインが、一歩。


踏み出した。


それだけ。


「……え?」


次の瞬間。


影が――


消えた。


「……は?」


誰かの声。


だが、終わりではない。


残りの影も。


「……」


動いた、と思った瞬間。


「……」


すべて。


消える。


跡形もなく。


音もなく。


「……」


静寂。


「……終わりましたね」


レインの声だけが、残る。


「……」


誰も、動かない。


「……え?」


ミアが、ぽつりと呟く。


「もう……ですか?」


「はい」


「……」


カレンが、ゆっくりと振り向く。


「……何したのよ」


「普通に」


「普通って何よ」


「消しました」


「どうやってよ」


「そのままです」


「意味が分からないのよ」


リリアは静かに周囲を見る。


騎士団。


完全に、止まっている。


「……」


一人が、震える声で言う。


「今の……」


「何だ……?」


「……」


別の騎士が呟く。


「攻撃……見えたか?」


「いや……」


「……」


観測員が、記録装置を見る。


「……記録が」


「追いついていません」


「……」


沈黙。


先ほどまでの空気は、完全に消えた。


軽視。


油断。


すべて。


「……」


誰かが、小さく言う。


「……嘘だろ」


「……」


評価官が、顔を引きつらせる。


「……平均……?」


「……」


その言葉が、空しく響く。


カレンが小さく笑う。


「……だから言ったでしょ」


「面白くなるって」


リリアも静かに頷く。


「ええ」


「これで、“誤認”は解けました」


ミアは目を輝かせる。


「すごいです!」


「もう慣れたわ……」


レインは、いつも通りだった。


「これで大丈夫ですか?」


「大丈夫すぎるのよ」


その時。


遠くで、誰かが呟いた。


「……あれが」


「……本物か」


空気が変わる。


完全に。

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