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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第73話 誤認

「――こちらになります」


案内役の声。


通されたのは、王都の施設。


石造りの広い空間。


「……測定室?」


カレンが周囲を見る。


「ええ」


リリアが頷く。


「王都では、外部勢力の評価を行います」


「……また測るのね」


「形式的なものです」


ミアがきょろきょろする。


「広いです!」


「王都基準だからね」


カレンは軽く肩をすくめた。


その時。


「お待ちしておりました」


白衣の男が現れる。


「王都評価官です」


「よろしくお願いします」


リリアが応じる。


「では、早速」


「戦力の簡易測定を行います」


「……」


カレンが小さく呟く。


「どうするのよ」


視線が、レインへ。


「普通でいいですよ」


「……普通って何よ」


「適当に」


「それが一番危ないのよ」


リリアが静かに言う。


「……抑えめでお願いします」


「分かりました」


レインが装置の前に立つ。


魔力測定。


身体能力測定。


簡易戦闘反応。


「では」


「力を流してください」


「はい」


レインが、軽く手をかざす。


ほんの少しだけ。


魔力を流す。


「……」


装置が、反応する。


光。


数値表示。


「……」


評価官の手が止まる。


「……?」


もう一度確認。


「……」


「……低い?」


ぽつりと呟く。


「……え?」


カレンが眉をひそめる。


「低いって何よ」


「……平均程度です」


「……は?」


ミアが首を傾げる。


「普通ですか?」


「はい」


評価官は困惑している。


「……報告と一致しません」


「……」


カレンがレインを見る。


「……あんた」


「何したの?」


「何もしてないです」


「嘘でしょ」


「少し抑えただけです」


「それを“何もしてない”って言うのよ」


リリアは静かに納得する。


「……なるほど」


「意図的に下げましたね」


「はい」


「……」


評価官が咳払いをする。


「……失礼しました」


「測定上は」


「平均的な冒険者レベルです」


「……」


その言葉が、広がる。


「……なんだ」


「噂ほどじゃないのか」


「やっぱり誇張か」


周囲の空気が、変わる。


軽視。


安心。


そして――


油断。


カレンが小さく笑う。


「……いいわね」


「完全にナメたわ」


「ええ」


リリアも頷く。


「理想的な流れです」


ミアがきょとんとする。


「いいんですか?」


「いいのよ」


カレンは楽しそうに言う。


「後が面白くなるから」


「……」


レインは、変わらない。


「楽そうでいいですね」


「その発想なのよ」

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