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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第66話 騎士団

「……来たわね」


カレンが小さく呟いた。


訓練場。


広く、整備された空間。


その中央に――


整列する集団。


「王国騎士団、第七部隊」


リリアが静かに言う。


「……数、揃えてきたわね」


重装。


軽装。


魔法兵。


バランスの取れた編成。


「完全に“戦闘用”です」


「模擬戦の域じゃないわね」


ミアが少しだけ緊張する。


「強そうです……」


「強いわよ」


カレンは即答する。


「普通なら、ね」


その時。


「お待たせしました」


騎士団の前に、一人の男が進み出る。


「第七部隊隊長、ディルクだ」


低く、通る声。


「今回の模擬戦、我々が担当する」


「よろしくお願いします」


レインが軽く頭を下げる。


「……」


ディルクは、レインをじっと見る。


「一人か」


「はい」


「……」


周囲の騎士たちがざわつく。


「ふざけてるのか?」


「舐められてるぞ」


小さな声。


だが、止まらない。


「……なるほど」


ディルクが静かに言う。


「自信がある、ということか」


「そういうわけでは」


「……いい」


ディルクは手を上げる。


ざわめきが止まる。


「条件は聞いている」


「致命傷は禁止」


「降参で終了」


「それ以外は自由だ」


「はい」


「……」


一拍。


ディルクの目が鋭くなる。


「全力で行く」


空気が変わる。


「これは“確認”だ」


「手加減はしない」


「……」


カレンが小さく笑う。


「いいわね」


「本気で来るじゃない」


「その方が分かりやすい」


リリアも頷く。


「ええ」


ミアは少しだけ不安そう。


「大丈夫ですか……?」


「大丈夫よ」


カレンは即答する。


「問題はあっち」


その頃。


騎士団側。


「……隊長」


「本当にやるんですか?」


「相手、一人ですよ」


「……ああ」


ディルクは短く答える。


「だからこそだ」


「……?」


「報告が事実なら」


「これは“戦闘”ではない」


「……?」


「“確認”だ」


「何をですか?」


一瞬だけ、間。


「格の違いだ」


「……」


騎士たちが息を呑む。


「こちらが見せる」


ディルクは剣に手をかける。


「王国騎士団の力を」


「……」


視線が、レインへ向く。


「理解させる」


「自分の立場を」


静かな圧。


「……」


レインは、いつも通りだった。


「準備いいですか?」


「……ああ」


ディルクが答える。


「いつでもいい」


空気が張り詰める。


観測員が位置につく。


記録魔法が展開される。


「……始まるわね」


カレンが呟く。


「ええ」


リリアも静かに見つめる。


ミアは手を握る。


そして――


「――開始!」


声が響く。

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