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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第56話 認定前

「……もう、否定できないわね」


カレンが静かに言った。


視線の先。


人の流れ。


物の流れ。


整った区画。


すべてが、機能している。


「はい」


リリアも頷く。


「都市機能、すべて揃っています」


「……“街”じゃないのよね、これ」


「ええ」


「“都市”です」


沈黙。


ミアが嬉しそうに言う。


「すごいです!」


「まあ、すごいけど」


カレンは少しだけ苦笑する。


「ここまで来るとは思わなかったわ」


その時。


「失礼します」


見慣れない服装の男が現れる。


「……誰?」


カレンが警戒する。


「ギルド本部より参りました」


「……」


「正式な確認と、提案のために」


「提案?」


リリアが聞く。


「はい」


男は周囲を見渡す。


市場。


訓練場。


住居区。


すべてを確認して――


小さく息を吐く。


「……報告以上ですね」


「そうですか?」


レインが聞く。


「はい」


「むしろ、控えめでした」


「……で?」


カレンが腕を組む。


「何しに来たのよ」


男は一度、姿勢を正す。


「結論から申し上げます」


「ここに」


少しだけ間を置く。


「ギルド支部を設立したい」


沈黙。


「……は?」


「正式な拠点として認定し」


「人員を配置し」


「依頼の中枢とする」


「……」


カレンがゆっくり顔を上げる。


「それって」


「はい」


「“都市扱い”ということです」


「……」


ミアが目を輝かせる。


「すごいです!」


「……いや、ちょっと待って」


カレンが手を上げる。


「早すぎるでしょ」


「通常であれば、ありえません」


男は即答する。


「ですが」


「ここは例外です」


「……」


リリアが静かに問う。


「理由は?」


「三つあります」


「戦力」


「経済」


「人口」


「すべてが基準を超えています」


「……」


「むしろ」


男は少しだけ言葉を選ぶ。


「なぜ今まで無かったのか、というレベルです」


「……」


カレンはゆっくり息を吐く。


「……で?」


「受けるの?」


視線が集まる。


レインへ。


「どうしますか?」


リリアが聞く。


「そうですね」


少しだけ考えて――


「問題なければ」


「受けてもいいと思います」


「……軽いのよ」


カレンが頭を押さえる。


「まあでも」


少しだけ笑う。


「ここまで来たら、そうなるわよね」


男が深く頭を下げる。


「ありがとうございます」


「準備に入らせていただきます」


「はい」


去っていく。


少しの静寂。


「……ついにね」


カレンが呟く。


「ええ」


リリアも頷く。


「公式に認められます」


ミアは元気に言う。


「街です!」


「都市よ」


レインは、いつも通りだった。


「そうですね」

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