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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第55話 整理

「……やっぱり来たわね」


カレンが静かに言った。


「何がですか?」


ミアが首を傾げる。


「“限界”よ」


広場。


人、人、人。


昨日より、さらに増えている。


「……少し、溢れてますね」


リリアが周囲を見て言う。


「住居の割り当てが追いついていません」


「仕事の配置も偏ってるわね」


カレンが腕を組む。


「一部に人が集中してる」


「はい」


「……まあ、そうなるわよね」


ミアが小さく言う。


「ちょっとだけ、困ってます?」


「ちょっとじゃないわね」


「でもまあ」


カレンは肩をすくめる。


「初めて“問題っぽい問題”よ」


「ええ」


リリアも頷く。


「これは調整が必要です」


その時。


「レインさん」


「はい?」


「どうしますか?」


「そうですね」


少し考えて――


「整理しましょうか」


「……またそれ?」


「はい」


「嫌な予感しかしないのよね」


――しばらくして。


「……何これ」


カレンが固まる。


目の前。


区画。


居住区、商業区、工業区、訓練区。


完全に分かれている。


「……いつの間に?」


「先ほどです」


「先ほど!?」


「はい」


リリアが周囲を見る。


「動線が整理されています」


「人の流れも分散」


「無駄がありません」


「……」


さらに。


「空き地、こんなにあった?」


「確保しました」


「どうやってよ」


「少し調整しました」


「その“少し”が問題なのよ」


ミアが走ってくる。


「すごいです!」


「どうしました?」


「お家、すぐ決まりました!」


「仕事もです!」


「……早いわね」


「はい!」


笑顔。


混乱が、ない。


「……」


カレンがゆっくり息を吐く。


「……解決してるわね」


「はい」


リリアも頷く。


「むしろ、前より効率が上がっています」


「……問題どこいったのよ」


「解消されました」


「……そうね」


少しだけ、笑う。


「もう驚かないわ」


レインは、いつも通りだった。


「よかったです」


「よくないのよ、それが」


カレンはため息をついた。

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