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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第43話 循環

「……これは、回りますね」


マルクが静かに言った。


拠点中央。


簡易だったはずの集積所は、すでに“市場”のようになっている。


「素材、こちらに」


「はい、査定します」


「この量でこの品質……?」


声が飛び交う。


「……早すぎるわね」


カレンが腕を組む。


「ええ」


リリアも頷く。


「昨日まで“保管”だったものが、今日は“流通”になっています」


「その通りです」


マルクが歩きながら言う。


「“物があるだけ”では価値にならない」


「“動く”ことで、初めて意味を持つ」


「で、それがもう動いてるってわけね」


「はい」


素材が集まる。


仕分けされる。


加工される。


そして――


「この剣、いくらだ?」


「その品質なら、この価格になります」


売れる。


「……は?」


カレンが思わず声を漏らす。


「今の、普通に売れたわよね?」


「はい」


リリアが確認する。


「しかも、相場より高い価格で」


「当然です」


マルクは淡々と答える。


「品質が異常ですから」


「……それにしてもよ」


「売れるのが早すぎる」


「需要があるんです」


「どこにそんな需要があるのよ」


「外です」


短い答え。


「すでに、外部に流しています」


「は?」


「簡易的ですが、流通ルートを確保しました」


「いつの間に!?」


「昨日です」


「……」


「行商と連携し、他の街に情報を流しました」


「“良質な物がある”と」


「そしたら?」


「来ました」


シンプルすぎる答え。


「……」


「人も、物も、金も」


マルクは続ける。


「流れができれば、勝手に回ります」


「……怖いわね、それ」


その時。


「報告です!」


ミアが走ってくる。


「どうしました?」


「さっきの素材、全部売れました!」


「……全部?」


「はい!」


「追加の注文も来てます!」


「……」


カレンが天を仰ぐ。


「……もう意味分かんないわね」


「計算します」


リリアがすぐに動く。


「収支は――」


少しして。


「……利益が出ています」


「どれくらい?」


「……かなりです」


「曖昧ね」


「具体的に言うと」


「“普通の拠点運営の数倍”です」


「……は?」


「初日でこれは異常です」


「異常ばっかりね」


マルクが小さく笑う。


「いえ」


「これは、必然です」


「素材がある」


「人がいる」


「仕組みがある」


「なら、回る」


「……で、結果がこれ?」


「はい」


マルクは周囲を見る。


忙しく動く人々。


止まらない取引。


積み上がる資材と金。


「これ」


少しだけ、声を落とす。


「街、超えてますよ」


その一言で、空気が変わる。


「……まだ始まったばかりなのに?」


カレンが呟く。


「だからです」


「伸びしろがある」


「……怖いわね」


レインは、少し離れて見ていた。


「いい感じですね」


「いや、“いい感じ”で済ませる規模じゃないのよ」


「そうですか?」


本気で分かっていない顔だった。

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