表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/108

第41話 変化

カン、カン、と音が響く。


拠点の一角に作られた鍛冶場。


火が入り、熱気が立ち上る。


「次だ」


鍛冶師の男が短く言う。


「はい!」


ミアが元気に素材を運ぶ。


「お願いします」


リリアが丁寧に渡す。


「……何度見てもおかしいな」


男は素材を見て呟く。


「慣れませんか?」


リリアが聞く。


「無理だな」


即答だった。


「こんな素材、普通は存在しねぇ」


そう言いながらも、手は止まらない。


カン。


一撃で、形が整う。


カン。


二撃目で、完成に近づく。


「……早いですね」


リリアが静かに言う。


「素材が良すぎる」


男は短く返す。


「力を入れなくても形になる」


「それでいて、壊れねぇ」


「……反則だな」


完成したのは、短剣。


「試せ」


差し出されたそれを、ミアが受け取る。


「え、私ですか?」


「軽いだろ」


「はい……」


恐る恐る、振る。


ヒュッ。


「……あれ?」


空気を切る音が、明らかに違う。


「軽いのに、ちゃんと重いです」


「……何言ってるか分かんないけど」


カレンが横から取る。


軽く振る。


「……」


一瞬で、表情が変わる。


「……これ、素人でも扱えるわね」


「そうなんですか?」


「ええ」


カレンは頷く。


「無駄なブレがない」


「力がそのまま乗る」


「つまり」


リリアが補足する。


「扱う側の技量を補正していますね」


「……それ、やばくない?」


「やばいです」


「やばいな」


鍛冶師も同意した。


「普通は逆だ」


「扱う側が合わせる」


「でもこれは」


「武器が合わせてくる」


沈黙。


「……量産できるの?」


カレンが聞く。


「できる」


即答。


「素材がある限りな」


「……」


カレンがレインを見る。


「あるわよね?」


「ありますよ」


「どれくらい?」


「しばらく困らないくらいは」


「……」


カレンが天を仰ぐ。


「……はぁ」


「やりましょう」


リリアが静かに言う。


「装備の更新を、全体に」


「賛成です!」


ミアが元気に言う。


「……まあ、そうなるわよね」


カレンも頷く。


――それから。


村人たちにも、順に配られる。


「これを、俺たちに……?」


元冒険者の男が戸惑う。


「はい」


リリアが頷く。


「使ってみてください」


恐る恐る、握る。


「……軽い」


振る。


「……っ!」


「なんだこれ……」


もう一度、振る。


「当たる気しかしねぇ」


「そういう武器です」


「……いや、意味が分からねぇ」


周囲の者も試す。


「すげぇ……」


「これなら戦える」


「俺でも……」


ざわめきが広がる。


「……変わるわね」


カレンが小さく言う。


「ええ」


リリアも頷く。


「個人の技量差が、埋まります」


「つまり」


「全体戦力が底上げされる」


「……それって」


「強いとか弱いとかの話じゃないですね」


「“環境が変わる”」


その言葉通りだった。


レインは、少し離れた場所で見ている。


「いい感じですね」


いつも通りの一言。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ