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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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135/141

第135話 いつも通り

「任せたわよ」


「信じてます」


「あなたなら可能です」


仲間たちの言葉。


背中に向けられた、すべて。


「……」


世界は、崩れている。


空間が裂け。


時間が歪み。


存在そのものが、揺らぐ。


「……」


それでも。


レインは、変わらない。


「……」


“魔王”に手を触れたまま。


少しだけ。


振り返る。


「……」


ミア。


カレン。


リリア。


それぞれの顔を見る。


「……」


そして。


ぽつりと。


「大丈夫ですよ」


「……」


たった、それだけ。


根拠も。


説明も。


何もない。


「軽いのよ……」


カレンが、呆れたように言う。


だが。


その声は、どこか柔らかい。


「……」


ミアが、小さく笑う。


「はい」


「レインさんが言うなら」


「大丈夫です」


「根拠が完全に感情なのよ」


「でも当たってます」


「……否定できないのよそれが」


「……」


リリアが、静かに言う。


「合理性はありません」


「ですが」


一拍。


「これまで外れたことがない」


「……」


沈黙。


それが。


すべてだった。


「……」


レインは、再び前を向く。


「……」


“魔王”。


暴走する歪み。


崩壊する世界。


「……」


そのすべてを。


ただ、見る。


「……」


特別なことはしない。


構えない。


気負わない。


「……」


いつも通り。


「……」


そして。


ぽつりと。


「じゃあ」


一歩、踏み出す。


「直しますね」


「最後までそれなのね」


「はい」


「……」


そのやり取りすら。


いつも通り。


「……」


だが。


次の瞬間。


空気が、変わる。


「……!」


ミアが、息を呑む。


「来ます……!」


「……」


“魔王”が、膨れ上がる。


歪みが、収束する。


暴走の中心が。


一点に集まる。


「……」


アルヴェルトが、叫ぶ。


「最終反応だ……!」


「……」


リリアが、静かに言う。


「決着です」


「……」


世界が。


揺れる。


崩れる。


消えかける。


「……」


その中心で。


レインは。


ただ。


手を伸ばす。


「……」


迷いなく。


恐れなく。


「……」


そして。


軽く。


触れる。


「――――」


世界が、止まる。


一瞬。


完全に。


「……」


誰も、呼吸をしない。


できない。


「……」


レインが、静かに言う。


「大丈夫ですよ」


「……」


その言葉は。


崩壊寸前の世界に。


不思議なほど。


自然に響いた。

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