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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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第134話 選択

「でも」


「直せますよ」


レインの一言。


それは。


あまりにも、軽く。


あまりにも、現実離れしていた。


「……」


だが。


その言葉が。


完全に消えかけていた“何か”を。


わずかに、繋ぎ止める。


「……」


ミアが、顔を上げる。


震えている。


怖い。


どうしようもない。


それでも。


「……」


前を見る。


レインの背中。


変わらない。


いつも通り。


「……」


その姿が。


少しだけ。


勇気をくれる。


「……」


ミアは、手を握る。


ぎゅっと。


「……私も」


小さな声。


それでも。


確かに。


「一緒にやります」


「……」


カレンが、横を見る。


「……正気?」


「怖いです」


即答。


「でも」


一拍。


「ここで何もしなかったら」


「もっと嫌です」


「……」


カレンが、少しだけ目を細める。


「……」


そして。


小さく、笑う。


「……いいわね」


「そういうの、嫌いじゃないわ」


「……」


彼女もまた。


一歩、前に出る。


「どうせ終わるなら」


「足掻く方がマシでしょ」


「……」


その声には。


いつもの軽さはない。


だが。


確かな、意志があった。


「……」


アルヴェルトが、静かに言う。


「……我々に出来ることは限られている」


「……」


リリアが、続ける。


「ですが」


「“ゼロではない”」


「……」


視線が。


レインへ向く。


「……」


ミアは、魔力を練る。


震えながら。


それでも。


止めない。


「安定領域……広げます……!」


「……」


カレンが、構える。


「邪魔はさせないわ」


「何が来てもね」


「……」


リリアが、静かに言う。


「構造の補助を行います」


「レイン」


「……」


「あなたの“定義”が」


「最も効率的に働くように」


「……」


完全な布陣。


力では足りない。


それでも。


「……」


“支える”。


それが。


彼女たちの役割。


「……」


ミアが、小さく呟く。


「信じてます」


「……」


カレンも。


「任せたわよ」


「……」


リリアも。


「あなたなら可能です」


「……」


三人の視線。


想い。


すべてが。


一人に集まる。


「……」


レインは。


少しだけ振り返る。


「……ありがとうございます」


それだけ言って。


前を向く。


「……」


“魔王”。


暴走する世界。


崩壊する法則。


「……」


そのすべてに対して。


静かに。


一歩、踏み出す。

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