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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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133/141

第133話 終末

すべてを、終わらせた。


――王城。


「……」


誰も、言葉を発しない。


先ほどまでの混乱。


怒号。


指示。


すべてが、消えていた。


「……全域……?」


王の声が、かすれる。


「……はい」


側近が、震えながら答える。


「空間異常、時間歪曲、重力崩壊……」


「すべてが同時に発生しています」


「……」


沈黙。


「……対処は」


誰かが、聞く。


だが。


「……不可能です」


即答だった。


「……」


誰も、反論しない。


できない。


「……」


アルヴェルトの声が、重く響く。


「通常戦力では干渉不可」


「国家規模でも対応不能」


「……」


つまり。


「……終わりか」


誰かが、呟く。


――街。


「……」


人々が、空を見上げている。


歪む空。


ズレる太陽。


崩れる影。


「……なに……これ……」


子供が、母の手を握る。


「お母さん……」


「……大丈夫よ」


母は、笑う。


だが。


その手は、震えている。


「……」


地面が、消える。


また、戻る。


人が、浮く。


また、落ちる。


「……」


もう。


日常ではない。


「……」


“現実”が。


壊れている。


――戦場跡。


兵士が、剣を落とす。


「……意味ねえ……」


何も、守れない。


何も、できない。


「……」


敵も、味方も。


関係ない。


すべてが。


崩れている。


――世界中。


誰もが。


同じことを、思う。


「……終わる」


それは。


確信だった。


――そして。


再び、“中心”。


「……」


空間が、裂ける。


歪みが、広がる。


止まらない。


「……」


ミアが、震える。


「……もう……」


声が、出ない。


「……」


カレンも、黙る。


冗談を言う余裕はない。


「……」


アルヴェルトが、目を伏せる。


「……間に合わない……」


「……」


リリアも、何も言わない。


理解しているから。


この規模。


この速度。


この崩壊。


「……」


“普通なら”。


どうにもならない。


「……」


完全な。


敗北。


「……」


その空気が。


すべてを、覆う。


「……」


その中で。


一人だけ。


変わらない存在がいた。


「……」


レイン。


「……」


崩壊の中心。


その真ん中で。


いつも通り。


立っている。


「……」


ミアが、かすれた声で言う。


「レインさん……」


「……」


レインは。


少しだけ周囲を見て。


「確かに」


ぽつりと。


「ちょっと大変ですね」


「軽いのよ……」


カレンのツッコミも、弱い。


「……」


だが。


その一言は。


“絶望”とは、違っていた。


「……」


レインは、“魔王”を見る。


暴走。


拡張。


崩壊。


すべてを。


「……」


そして。


普通に言う。


「でも」


一拍。


「直せますよ」


「……」


沈黙。


その言葉は。


あまりにも。


現実離れしていた。


だが。


「……」


否定できる者は。


誰もいなかった。

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