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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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128/141

第128話 疑問

「じゃあ」


「直していきますね」


レインの手が、“魔王”に触れたまま。


その瞬間。


「――――」


何かが、走る。


音ではない。


声でもない。


だが。


「……?」


ミアが、顔を上げる。


「今……何か……」


「……」


アルヴェルトが、目を見開く。


「……情報だ」


「……?」


「直接、頭に流れ込んでくる……!」


「……」


カレンが、顔をしかめる。


「気持ち悪いわね……」


「……」


リリアが、静かに言う。


「……思考です」


「……?」


「“魔王”の」


「……」


沈黙。


そして。


それは、はっきりとした形を持つ。


『――なぜ』


「……!」


ミアが、息を呑む。


声ではない。


だが。


確かに“聞こえた”。


「……」


アルヴェルトが、震える。


「……意思……?」


「……」


『――なぜ干渉できる』


「……」


それは、問いだった。


疑問。


理解できないものへの。


「……」


カレンが、呟く。


「……困ってる?」


「……」


リリアが、静かに頷く。


「はい」


「この存在は」


「“想定外”に直面しています」


「……」


“魔王”。


世界の維持機構。


誤作動したシステム。


そのはずのものが。


「……」


理解できないものを。


理解しようとしている。


「……」


『――定義不能』


『――干渉不可』


『――例外』


断片的な“言葉”が。


流れ込む。


「……っ」


ミアが、頭を押さえる。


「いっぱい来ます……!」


「無理に受け取らなくていい!」


カレンが叫ぶ。


「……」


だが。


レインは、違う。


「……」


そのまま。


“魔王”に触れたまま。


普通に、聞いている。


「……」


『――なぜ』


再び。


同じ問い。


繰り返し。


「……」


レインは、少しだけ考える。


そして。


「んー」


軽く唸って。


「触れてるからじゃないですか?」


「軽いのよ!!」


だが。


その瞬間。


「――――」


“魔王”が、揺れる。


大きく。


今までにないほど。


「……!」


アルヴェルトが叫ぶ。


「反応が……強い!」


「……」


リリアが、目を細める。


「……理解できていない」


「処理が追いついていない」


「……」


『――矛盾』


『――不整合』


『――エラー』


「……」


ミアが、ぽつりと。


「困ってます……」


「……」


カレンが、ニヤリとする。


「いいわね」


「初めて向こうが焦ってる」


「……」


“魔王”が、揺れる。


崩れかける。


だが。


保とうとする。


「……」


それでも。


明らかに。


“乱れている”。


「……」


アルヴェルトが、呟く。


「……逆転している……」


「……」


リリアが、静かに言う。


「はい」


「今までは」


「こちらが理解できなかった」


「ですが今は」


一拍。


「向こうが理解できていない」


「……」


完全な。


主導権の逆転。


「……」


レインは、特に気にせず。


そのまま。


手を動かす。


「じゃあ」


「ここ直しますね」


「軽いのよ!!」


だが。


その一手は。


確実に。


“世界のバグ”を追い詰めていた。

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