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無能と追放された俺、実は全スキル所持の最強でした ~気づいてないけど周りが勝手に国を作ってくる~  作者: 南蛇井


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105/141

第105話 温度差

「――つまり」


アルヴェルトが、まとめる。


「現在起きている現象は」


「“世界の歪み”によるもの」


「そしてそれは」


「時間・空間・自然現象すべてに影響している」


「……」


静まり返る室内。


誰も、軽く受け止めていない。


当然だ。


「……世界規模よ?」


カレンが呟く。


「村とか国とかじゃないのよ」


「はい」


リリアも頷く。


「放置すれば」


「崩壊に至る可能性もあります」


「……」


ミアの顔が青くなる。


「世界が……壊れる……?」


「理論上はな」


アルヴェルトが淡々と答える。


「既に“ズレ”は拡大している」


「止まる保証はない」


「……」


重い。


空気が、一気に沈む。


「……」


誰もが、考える。


どうするか。


何ができるか。


その中で。


「そうなんですね」


「軽いのよ」


即ツッコミ。


「話聞いてた!?」


カレンが振り向く。


「世界が壊れるかもって話よ!?」


「はい」


レインは、普通に頷く。


「だから、そのうち直りますよ」


「何を根拠に!?」


「なんとなくです」


「またそれ!?」


「……」


ミアが、困ったように言う。


「でも……さすがに今回は」


「ちょっと怖いです」


「……」


レインは、少しだけ考える。


そして。


「じゃあ」


「見に行きますか」


「軽いのよ!!」


「原因」


「触れば分かると思うので」


「だからその“触る”が意味分かんないのよ!!」


「……」


アルヴェルトが、静かに言う。


「君は」


「本当に、それが出来ると思っているのか?」


「はい」


即答。


「……」


一切の迷いなし。


「……」


沈黙。


「……根拠は?」


「なんとなくです」


「またか……」


学者が、初めて頭を抱える。


「……」


リリアが、小さく息をつく。


「……ですが」


「彼の“なんとなく”は」


「外れません」


「それな」


カレンが即同意。


「一番タチ悪いタイプよこれ」


「えへへ……」


ミアが苦笑する。


「でも、安心感あります」


「あるのがまた問題なのよ」


「……」


レインは、立ち上がる。


「とりあえず」


「行きましょう」


「……どこに?」


カレンが聞く。


「一番変なところです」


「雑なのよ!!」


「……」


だが。


誰も反対しない。


できない。


「……」


アルヴェルトが、小さく呟く。


「……世界が壊れかけている中で」


「なぜ、そんなに平然としていられる」


「……?」


レインは、少しだけ考える。


そして。


「直せばいいだけなので」


「……」


言葉が、出ない。


「……」


その一言が。


あまりにも――


当たり前のようで。


異常だった。

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