第24話
「ん”……。そんじゃ、腹拵えも済んだし。……俺らもそろそろ参加すっか。」
「そうだね。さっさと済ませて帰りたいし。」
「一応、僕が屋外の敵は全部焼き殺したんだけどなぁ……。そんなに地下に居たのかなぁ?」
……。
「……エリクス。」
「うん、どうしたの?」
「その焼き殺すって……どういう規模?」
「どういう規模って……普通に雷を頭から落としただけだよ。上から下にどーん!って!」
「……そう。」
「……? 煮え切らねぇな。何かあんのか、イリス。」
「……ううん、別に。」
……そっか、焼き殺したんだ。
なら、あの子達も黒焦げになったんだろう。どちらにせよ必ず殺さなければならない事は分かっている物の、それでも……少しでも、安らかに逝ってくれる事を願っていたのに。いや、むしろそっちの方が良かったのかもしれない。……どんな死体なのか、今から見るのが少し怖い。
何かを察したのか、差し出されたイルメリナの手を少し躊躇った後に取り、少し重たい足取りで歩を進めていくイリス。
別に、イリスだって死体ぐらいは見慣れている。焼死体も、戦場も、その惨たらしさや死臭の強さ。非道さはそんなに珍しい物ではない。
それでも、イリスにだって大切な物も。壊れてほしくない物も。……辛い物だって、それなりにある。
…………せめて、落雷の初撃で死んでくれてたら
「――……………………え。」
「イリス先輩……?」
「……イリス嬢、やっぱ何かあるんやろ。別に俺らも言いふらしたりなんかせん、思いきって教えてくれへんか?」
てっきり、《黎閃》から降りた途端に真っ黒な焼死体ばかりが転がっていると思っていた。いや、確かにそういう焼死体もあるにはあるが、炭の如く黒焦げになっているのは――大人の死体だけだ。
子供の死体に関しても、心臓があるであろう場所だけが黒く焼け焦げ、雷に貫かれた痕跡がある。ただ、どちらかと言えば雷と言うよりも電撃に近いだろうか。
「……………………エリクス。さっき、上から……下にって。」
「え、うん……。そうだけど。」
「…………でも、あの子供の死体……違う、けど。あれ……心臓だけ打たれてる。」
「あ、ご、ごめん……! ちゃ、ちゃんと子供は一撃かつ損傷は少なくしたよ! も、元々そうしてほしいって話だったし……ちゃ、ちゃんと気を付けたよ!」
「あぁ、成程。そこの警戒か。良かったね、イリス。……誰も惨たらしく亡くなってないよ。」
「お〜ぃ、エリクス〜。イリス警戒させてどーすんだよ〜。」
「ご、ごめぇん、イリス……!!」
「許さないってよ。」
「え。」
「イリスの繊細な心に罅入っちゃったって。」
「い、言ってない。言ってない、言ってない……!」
「うぅう、イリス、ごめんなさぁい……!! ぼ、僕、今から自分を雷で打ったら良い!?」
「まるで意味なんぞあらへんやろう、それ。」
「むしろ魔力保有量一時的に増強されるだけだろ。」
「じゃ、じゃあ僕今から海に飛び込んだら良い!?」
「や、辞めて。待って待って、早まり過ぎ、駄目。絶対駄目……!」




