第11話
「あ、そうだ……。ノア。」
「はい、今度はどんなぶっ飛んだ発言をされるご予定ですか?」
「あの奥に見える古城……ヴィルの生家。」
「殆ど王城じゃねぇか、何でこの人こんなに涼しい顔して爆弾落とすんだよ……!!」
「……?」
「……イリス。流石にそれは俺でも可哀想だと思うよ、割と本気で。」
「……?」
元々貴族に種類がある事自体知らなかったノアだが、それでも亜空間自体の知識はある。亜空間は決して自然発生する物ではなく……核となる、存在が必ず居る。
亜空間の広さはある意味、その核となっている存在の強さを表す物で、基本的に亜空間を展開している者が死ねば死ぬのでこの幻楼街のように何かと戦闘制限や行動制限が掛けられるのが道理である。
見える限りでも帝国のメインストリートよりでかいし……多分、人の気配的に裏路地とかもあるだろうし、とんでもない御仁が作った世界じゃん……!!
「……改めまして、数々の非礼を深くお詫び致します、ローゼン卿。」
「君が特務官でなければその限りだけど、君が特務官である以上その限りではないね。」
「で、でも」
「アルヴェルト君。君は一般人じゃない、帝国を代表する特務官だ。そんな君が堂々としていないのは帝国の。強いては特務局の機紋に泥を塗る行為だ。……強かに美しく、勇ましくも聡明に。何が立ち塞がろうとも俺達の前に立つ事が許されていると思い上がっている全てを悉く穿つだけの強さと志を掲げていてくれないと困る。」
「……! は、はい!」
「……ヴィル。」
「何かな、イリス。」
「ノアはヴィルが警戒するような思想は、ない。ただ、何も知らないだけ。けど、知ろうとする姿勢を崩さない。…………だから私は特務局に連れてきた。――壊したら、殺す。」
「……………………肝に銘じておこう。」
……。
「……ローゼン卿。」
「何かな。」
「後で、少しお時間を戴いても?」
「構わないよ。……丁度、目的地だ。」
考え事をしている間に目的地へ着いていたらしい。アンティークな外装に、閉じられた本らしき物に羽根ペンが描かれた看板。それだけ見れば本屋のように見える物の、窓ガラスから見える店内は……本よりも雑貨が多い。
それも、何か魔法薬に使うような素材も多く、魔法関連の店というのが正しいのかもしれない。
「店内の方が良いかな?」
「いえ、ここでお願いします。それと……イリス先輩。」
「?」
「ちょっと、ローゼン卿と2人で話がしたいので……中で先に見ていていただけませんか? ここ、安全ですよね。」
「……ん、分かった。」




