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『帝国魔導特務録』  作者: 夜櫻 雅織
~ヴォルカ特務官と刻まれた軌跡~

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第14話

「こ、これは……。」

「え、外で見たより広い……!」

「……空間拡張魔術(マジックバック)……じゃ、ないな。いやでも、構造としては一緒か……?」

「…………空間拡張魔導(ツァウバースペース)。魔法の1つ上、魔導だよ。膨大な魔力とかなり高度な演算式が必要になる、失われた(フェァローレン・)技術(テクニヒ)。俺も……実家にある資料でしか見た事がない。」

「え、お前の実家……な、上位種の技術って事か!?」

「……あぁ。特に、始祖に近い人が使ってた技術だったはず。現代の生物では原則、これをまともに行えるだけの魔力がないとされていて……それ故に、今では上位種か上位存在しか使えないはず。」

「上位種……?」

「……この前ラグナレイズ帝国の地下で出てきたような、神様と呼んでも差し支えないような超常的な存在を上位存在。そして、それが非人間族と同等の体の存在を有する存在を、上位種って言うのよ。まぁ……その上位種に、場合によっては上位存在も含められる事もあるんだけどね。」

「……何方にせよ、俺らは超古代文明の技術を目の当たりにしてるって事や。」


 本来、建物の中身は見た目と比例しているはずなのにイリスの後を追い、足を踏み入れたまだ恐らくではあるがほぼ確実に大賢人エスメラルダの家だったであろう家屋の中は……外観の10倍程度広かった。

 左右の壁は全て本棚で塞がれ、残っている物は殆どない。むしろ、様子を見るにどうやら荒らされたようで多少の戦った痕跡なども見える。彼らは、確実にここに居た。


 家具も壊されて……。何か、探し回っていた? けど、盗れる物は全部……。


「…………ラグナレイズ帝国。」

「……きっと、他の家屋も同じ感じでしょうね。」

「俺、右隣の家見てくる。」

「なら俺は左隣見てこよう。自分らはここおってくれ。中、軽く覗いたら戻ってくるわ。」


 そんな荒れに荒れたこの場所で、イリスは何か明確な探し物があるらしい。床に散乱している物を掻き分けたり、場合によっては瓦礫を乱雑に退け、必死になって何かを探している。


「イリス先輩!」

「ない……ない、ない、ない! っ、エスメラルダ。エスメラルダ、見つかんない……!!」

「イリス先輩、探し物の形状を教えてください。俺達も一緒に探します。」

「……かぷ、せる。こんな……こ、これぐらいの、カプセル。中に金色の液体入ってて、エルフみたいな枝の装飾で外側が覆われてる。あれを、エスメラルダが回収しといてって……!」

「皆さん、聴こえましたね!? 金色の液体が入った、水筒ぐらいの大きさのカプセルを探してください!」

「俺は奥を探す! ……あの大賢人の家だ、どっかに隠し倉庫ぐらいあるだろ……!!」

「わ、私は右側の壁全域調べてみる! 本とか動かしたり……うぅん、でも全部出されてるし、何処……!?」

「なら俺は左側の壁だな。エリクス、お前は全域の魔力探知。限界まで細かく、徹底的にやれ。」

「任せて! ……僕だって上位存在なんだ、凄い所魅せちゃうもんね!」

「イリス、玄関はトウマとヨハンが帰ってきたらあいつらに任せる。お前はノアと気になる所を探せ、良いな?」

「わ、分かった……!」

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