第7話 村の英雄になる
翌日、バーゾロさんは村の仲間3人を連れてきた。
「こいつらも俺と同じく、スロットで借金をしてるやつらだ。これで最後にするから、こいつらにも勝てせてあげてくれないか?」
「まあ、今日も勝てるっていう保証はないですけど、やってみます。」
スロット場に着き、自分を含めて5台分の設定を6にする。
「うお、もう当たったよ!」
「連チャンが止まらねー!これはホンモノだ!」
「すげえよ。もう1万枚だ。」
盛り上がる男たちを海老名は冷めた目で見つめる。
(自分もあっち側だったら素直に楽しめていただろうな)
店を見渡すと、やはり大勝しているのは海老名の一行のみである。
一行の後ろにはドル箱の山脈ができる。その日、閉店時間まで打ち明けた海老名たちの勝ち額は、合計400万エニーを超えた。
バーゾロさんの家で祝勝会が行われ、海老名は英雄と呼ばれた。
「海老名さん、これで借金も半分返せますよ!ねね、明日、さらに仲間を連れてきて良いですか?」
「ちょっと待ってください。」
「自分でもはっきりしないんですけど、このままあのスロット場で勝ち続けるとダメな気がするんです。」
「なんだそりゃ。確かに君の力は魔法のようだけどさ、君さえ良ければ別に良いんじゃないかな。マキシマムのやつらは今まで俺たちから相当搾り取ってきたんだ。少しくらいやり返したってバチは当たらないよ。」
(そうかもしれない。)
部屋で横たわりながら海老名は考える。
(日本のパチ屋でこんな爆出しできたら間違いなく毎日通うよな。もっと気軽に考えても良いのかなー)
その頃、スロット場では黒服の男たちが会議を行っていた。
「ここ数日間、異例の勝ち額を叩き出している客がいるようだな。この村のやつか?」
リーダー格の男が尋ねる。
「いいえ。初めて見る顔でした。」
「なんかイカサマしてるんじゃないですか。」
「俺もそう思ってこっそり見張ってたんだけどよ、普通に打ってるようにしか見えなかったよ。」
大柄の男たちが話し合っている。
「ほう。次にその男が来た時、捕まえてくれないか?」
リーダー格の発言に、男たちはざわつく。
「ホールコンさん、そんなことしたら客が寄り付かなくなるんじゃないですか、、?」
「大丈夫だ。おおかた、スロット目的でやってきた旅行者の類だろう。村に害をなす危険人物だったと説明すれば村の連中も納得するさ。」




