第6話 設定6
海老名が設定6と指定した台でバーゾロさんが打つ。その隣の台に腰掛け、札を入れるとまた機械の声が聞こえる。
「設定はいくつにしますか?」
「6で。」
5分くらいするとバーゾロさんの台が当たる。
「おお!早い当たりだ!これは今日、期待できるかもな!」
すぐに海老名の台も当たり、二人で連チャンを続ける。
「すげえよ、すげえよ!こんなに当たるの初めてだ。」
数時間経つと二人の後ろにはまたドル箱の山ができていた。
二人の当たりが終わったタイミングで海老名が声をかける。
「そろそろやめましょうか。」
「えええ、確かに今当たりが終わったところだけどさ、この調子ならまだ続けたほうが良いんじゃないか?」
「とにかく、今日はもうやめにしましょう。」
「まあ、君がそう言うなら、、」
二人のメダルを交換すると80万エニーになった。半分の40万をバーゾロさんに渡す。
「いやー、本当にありがとう。これで、、借金もある程度返せるよ」
浮かれるバーゾロさんの横で海老名はどこか腑に落ちない様子だ。
(いくら設定6でも、2日連続でこの勝ち額はおかしい。日本でも設定6を何度か打ったことがあるけど、ここまでではなかった。メダルが出るスピードも速いし、この世界のスロットはやはり日本のとは少し違うんだな。)
宿(バーゾロさん宅)に戻るとすぐ、バーゾロさんとシロナさんが出かけていった。部屋でしばらく待った後、夕食に呼ばれる。
テーブルには昨日の食事とは段違いのご馳走が並んであった。ステーキにパン、スープに果物だ。果物はどれも見たことがないもので、ここが異世界であることを思い出す。
バーゾロさんは落ち着いた口調で話しかけてくる。
「なあ、今日の当たりは何か特別なものを感じたんだが、何かカラクリがあるのか?でも何かしているようには見えなかったが、、」
(あの機械音については説明しても変人だと思われるだけだよな)
「うまく言えないんですけど、まあ、また次も勝たせられると思います。」
「そりゃあすげえな。今度はさ、俺の仲間も連れて行って良いか?みんな、俺みたいに負けが込んで借金があるんだ。」
(ここは本当にパチンカス村なんだな。俺もこの村に生まれたら確実に借金まみれだ。)
「まあ、1回だけなら良いですよ。」
「よっしゃ!決まりだ!ずっとここに泊まってても良いからな!!」
部屋に戻り、何か得体の知れない悪いことをしているような不安に駆られながら海老名は眠った。




