第3話 設定はいくつにしますか?
(異世界にもパチスロがあって、とりあえず打とうと思ったけど、、、軍資金がねー!)
ガラス張りの建物の前にあるテントへ行く。受付にはガタイの良い老婆がいる。
「見慣れない顔だね。で、いくら必要なんだい?」
(話が早いな。)
「うーん。相場がわかってないんですけど、ひと勝負できるくらい、、?」
少し訝しそうな顔の老婆が答える。
「ふーん。じゃあ10万エニーだね。はいどうぞ。利子はトイチだよ。」
すぐに札束を渡されて、戸惑いながら海老名が尋ねる。
「こんな簡単に借りられるんですか?その、本人確認とかは?」
「うちはそんなもんやってないよ。この村には逃げようなんて度胸のあるやつはいないからね。」
少し不思議に思いながらも札束を受け取り、ポケットにしまう。再びガラス張りの建物に入る。
建物の中には、スロット台が何列にもなってビッシリと並んでいる。打っている連中は老若男女で、みんな夢中なようだ。
席は8割ほど埋まっているので、とりあえず近場の空いている台に座る。
(機械に札をブチ込むところまで日本と同じなのか)
1万エニー札が機械に飲み込まれた時、頭の中に機械音が流れる。
「設定はいくつにしますか?」
(え、設定、、?いや、選べるなら6。一択だろ!)
「承知いたしました。設定を6にします」
(今のはなんなんだ、、?まあ、打ってみればわかるのか?)
日本のパチスロよりもサイズは大きいが、仕組みはほとんど同じのようだ。
30ゲームほど回した時、初めての当たりを引いた。
(お、当たったじゃん!かなり早い当たりだな。ラッキー!)
その後、連チャンが続く。当たりが終わってもまたすぐに当たりを引き、また連チャンが続く。
6時間が経った頃、海老名の後ろにはドル箱の山ができていた。
(おいおい。日本でもこれだけ出したことがねーぞ。もしかして、異世界のパチスロって超甘い!?)
周りを見渡す。ドル箱の山ができているのはこの列で海老名だけだ。
おかしいと思い、店中を見渡すが、せいぜい2、3箱程度のドル箱を積んでいる人がチラホラいるくらいだ。
(なんだよ。これ。)
少し怖くなり、店員を呼んでドル箱のメダルを計数機に入れてもらう。
「25020枚ですね。」
計数をした店員の奥で、店員数名が何やらヒソヒソと話している。
(メダル1枚が20エニーだから、50万エニー勝ち!?日本じゃあり得ない勝ち額だよ)
25020枚と書かれたチケットを受け取り、換金所へ持っていく。
「あの、、」後ろから声をかけられる。




