↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プチュンしたら異世界飛ばされた  作者: レア役ウマ太郎
第1章 レグボ村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/24

第21話 ハッピータイム

 小太りは、自らがぶち撒けたメダルを1枚残らず拾って、中年にて渡す。拾っている最中も、せわしなく時計を確認している。小太りが場内巡回を離れてからすでに小一時間が経過していた。


 (今日は散々だ。これで場内に問題でも起きていたら大変なことだ)


 小太りは走ってスロット台に戻ろうとする。走っている時に、客の男に肩がぶつかった。振り返ることもせず、小太りは走り続ける。


 遠くから赤髪が声を張り上げる。


「店員さーん!ズボン、大丈夫かー!?」


 (何を言っているんだ!?)


 小太りが立ち止まって後ろを振り返ると、小太りのズボンがずり落ちた。ベルトが切断されていたのだ。


 (今日は散々だ)


 バックヤードに走り、若手の男性従業員を呼び出した。小太りは彼からベルトを奪い取ると、自身の腰に巻きつけた。細身の男のベルトなので、ツク棒がなかなか穴に入らない。小太りは泣きそうな顔をしていた。


  この小太りにとっての不幸は、そのまま海老名たちの幸運に変換される。


 海老名は周囲を見渡し、表情を緩める。

 (1時間半くらいが経ったか。それにしても、だいぶ当たったな。引きが悪くてあまり当たっていない人も、ドル箱3箱分。引きが強かった人は6箱分勝ってる。平均すると一人4〜5箱。やっぱりこの世界の設定6はスゲー)


 海老名の台は再び当たり、メダルを吐き出す。思わず口元が緩んだタイミングで、後ろに気配を感じた。


 振り向くと、青ざめた顔の小太りが立っていた。


「冷遇モードに切り替わりました」

「冷遇モードに切り替わりました」

「冷遇モードに切り替わりました」

「冷遇モードに切り替わりました」


 仲間たちが打っている台から順番に聞こえてくる。途端に焦りが湧いてきた。確かに、全員のメダルを合計するとものすごく勝っている。ただ、仲間たちにはメダルを山分けした後、「気持ちばかりのお礼を」と求めている。今のままではウチエの弟を救うための5万枚に到達しない可能性が高い。


 小太りはスロット場の端で打つ、ウチエの方へ向かっていった。


 (おいおい、ウチエさんまで止められたら、)


 思わず、小太りの後を追いかける。広い場内を端まで歩くのには1分弱かかった。視界の先にスロットを打っているウチエの姿が映る。


 (なんだあれは、、)


 思わず目を疑った。ウチエの後ろには、数え切れないほどのドル箱が重ねられていたのだ。


 小太りが急いで近寄る。

「冷遇モードに切り替わりました」


 ウチエの台から機械音声が聞こえた。


「んんんー。ここっチェ!」


 冷遇モードの存在を知らないウチエは、力いっぱいレバーを叩こうとしている。


 (ウチエさん、もうダメだよ。って、あれはなんだ!?)


 ウチエの手が虹色に発光している。


 トン


 ウチエがレバーを叩く。


 左リールの真ん中にチェリーが止まった。


 (おいおい。中チェじゃねーか)


 ※中チェ 実際のスロットにも存在する、超希少役。丸一日打っても引けないことがほとんどである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。