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プチュンしたら異世界飛ばされた  作者: レア役ウマ太郎
第1章 レグボ村

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第20話 魔法

「やれやれ。だいぶ時間を奪われてしまいました。場内は安全ですかね」


 小太り店員が再び海老名たちの方へ向かってくる。八重歯の時間稼ぎのおかげで、全員の後ろには平均して2箱のドル箱が積まれてあった。


「おいおいおい、これはすげーよ。神様に導かれてるみたいに当たるじゃねーか。あのニイチャン、魔法使いか何かか?」

 仲間たちが騒いでいる。


 反対に、海老名はずっと焦っていた。

 (時間稼ぎをお願いしたが、さすがに二人もそろそろ限界だろう。俺たちの台が冷遇モードに入れられたら、それ以上は当たらないだろうし、みんなからメダルを募ってもまだウチエさんを救えないか。また明日同じ作戦でいく?でもウチエさんの弟がいつ交換されてしまうかわからないし、小太りに目をつけられて最初から冷遇モードに入れられるリスクもあるか、、)


 海老名たちの元に再び小太りが近づいてくる。

「なあなあ、そこのスーツの人、大変やで!」


「今度はなんだ?」

 小太りが機嫌の悪さを全開に出しながら振り向く。


 そこには赤髪がいた。


「おいおい、なんでそんな怒っとんねん。こっちは、あんたを助けようとしてるんやで」


「なんの話だ」


「あんたの腰についていた鍵、さっき盗まれとったで」


 小太りは腰を確認し、顔が青ざめる。スロット機を開いて金を取り出すための鍵だ。


「おい!盗んだのは誰だ!お前か!?」


「おいおい、あんたを助けようとしてるって言うたやないか。ついさっき、ドル箱の中に鍵を隠して景品コーナーの方に向かっている男を見たで。このまま店から出るつもりちゃうかな」


「なんだと!?」

 小太りは目を血走らせながら景品コーナーへ走る。


「おい!そこの男!待て!そのドル箱を見せろ!」


「え、なんですか?」

 穏やかそうな中年が振り向く


「いいから見せろと言っている!」

 小太りはドル箱を奪い取って、その場にぶち撒けた。鍵はない。小太りの顔が青ざめる。


「ちょっと、何してくれるんだよ!」

 中年は怒っている。


 小太りは途方に暮れている。しかし判断は速い。

 (まずい、今日はここを閉場して、全ての鍵を付け替えるか。費用は痛いが、金を盗まれるリスクを考えると致し方がないか。まずは閉場)


「マスター!スロットの鍵が落ちていたって、先ほどお客さんが届けてくれましたよ!」


 スーツを着た青年が駆け寄ってくる。手には、小太りが必死で探している鍵を持っている。


 小太りは安堵した。


「おいおい、どんな事情があるか知らないけどよ、とりあえずこのメダル、あんたが全部拾えよ!」


 中年の怒号で小太りは我に帰る。


「大変失礼いたしました。全て拾わせていただきます」

 

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