第14話 連チャン
もしかするとウチエはただのオカルトパチンカスではないのかもしれない。
「昔から、右手に力を込めて大事なことをすると上手くいくっチェ。テストの答えを当てずっぽうで書く時も、難産の羊の赤ちゃんを取り上げる時も、理由はわからないけれどそれで上手くいってきたっチェ」
「でも、力を使った後は溜めが必要で、同じことを何度か繰り返さないとダメだっチェ」
「、、、ということは、スロットを打ち続ければまたレア役を狙って引けるってことか?」
「レア役、、?わかんないけど、できると思うっチェ」
(おいおい、マジかよ。信じられない話だけど、異世界ではこんなこともあるのか?というか、俺の能力だって自分でもよくわからないか)
「なあ、次は俺が指示したタイミングで力を込めてくれ」
「わかったっチェ」
海老名は自分の台を打つのをやめ、ウチエがスロットを打つのを見守る。
ウチエの台は微妙な展開が続き、400枚ほど飲まれた。ウチエの表情が段々と暗くなる。海老名も少し焦ってきた。
(やべえ、異世界のスロットだから、天井があるかもわかんねーし、悪い展開になるとけっこうメダルが飲まれるんだな)
海老名が唾を飲み込んだ時、ウチエの台が青く光った。
(きた!チャンスゾーンだ)
「今?ここで力を込めれば良いっチェ?」
「いや、まだだ!」
(チャンスゾーンはレア役を引けなくても突破できることがある。それよりも、連チャンのチャンスの時にレア役を引いた方が良い。って言っても、日本のスロットと同じかわかんないけど)
ウチエは海老名に言われたように、淡々とレバーを叩く。台が虹色に光り、当たりを告げる。
「よし!このまま打ってくれ」
「わかったっチェ」
台は順調にメダルを吐き出し、しばらくすると連チャンのチャンスやってきた。
「今だ!思いっきり力を込めてくれ!」
「わかったっチェ」
ウチエの右手が赤く光る。レバーを強く叩いた後、チェリーの図柄が止まる。
(おいおい、、ホンモノかよ!そしてこれ、強チェじゃねーか。。)
ウチエの台は再び虹色に光り、さらにメダルを吐き出した。
「また当たったっチェ!」
その後もウチエはベストタイミングでレア役を引き、7連チャン。2000枚のメダルを獲得した。
「海老名!すごいっチェ、言われた通りに打ったらどんどんメダルが増えるっチェ!」
「ああ。弟を助けたいんだろ。いいから早く打てって」
海老名は勝利を確信していた。
また連チャンのチャンスが訪れる。ウチエは赤く光った右手で意気揚々とレバーを叩く。
シーン
「あれ、、、?」
二人は顔を見合わせる。
画面が暗転している。当たりが終わったようだ。
「冷遇モードに切り替わりました」
いつも設定を尋ねてくる機械音声が聞こえた。




