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『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


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74/80

第74話 二王同盟

【保有DP:68,920】


【侵食率:8.1%】


【ダンジョンランク:B】


【階層数:5】


【七王統率:3/7】


 骸王モルドを吸収した翌日。

 俺たちは海王リヴァイアと獣王フェンリルの領域境界へ到着していた。

 正直驚いている。

 七王同士は仲が悪いと思っていた。

 だが違った。

 少なくともこの二人は違う。

 海と森林が接する巨大な海岸線。

 そこに二体は並んでいた。


 一体は海王リヴァイア。

 巨大な海蛇のような怪物。

 全身を蒼い鱗で覆い、周囲の海そのものを支配している。

 そしてもう一体。

 獣王フェンリル。

 山のような巨狼だった。

 銀色の毛並み。

 黄金の瞳。

 見るだけで強いと分かる。

 モルド以上。

 おそらく七王上位。

 だが。

 その二体は敵意を向けてこなかった。


「来たか」


 フェンリルが言う。

 低く響く声だった。


「来たな」


 リヴァイアも続く。

 どう見ても待っていた。

 フィリアが俺を見る。


「また話し合い?」


「多分な」


 ここで戦闘にならない時点で予想はついていた。


◇◇◇


「単刀直入に言う」


 フェンリルが言う。


「モルドを倒したか」


「ああ」


「ユグドラとも会ったな」


「ああ」


 そこで二王は頷いた。

 そして。

 予想外のことを言った。


「なら問題ない」


 俺は目を細める。

 何がだ。


「七王は元々一枚岩ではない」


 リヴァイアが言う。


「むしろ敵同士の方が多い」


 なるほど。

 それは何となく予想していた。


「なら何故協力する」


 俺が聞く。

 するとフェンリルは空を見上げた。


「神界だ」


 一言だった。

 だが十分だった。

 やはり繋がっている。

 神界。

 七王。

 深層主。

 全て。


「俺たちは神界が嫌いだ」


 フェンリルは即答した。


「大嫌いだ」


 少し笑ってしまった。

 分かりやすい。

 王のくせに妙に人間臭い。

 だが嫌いじゃない。


「神界軍は三年後に来る」


 リヴァイアが続ける。


「だが実際にはもっと早い」


「どういう意味だ」


「お前だ」


 俺だった。

 意味が分からない。


「王国を潰した」


「英雄を殺した」


「オークが死んだ」


「モルドも死んだ」


 フェンリルが並べる。

 確かに全部俺だ。


「神界は気付いている」


 空気が重くなる。

 フィリアも黙った。

 つまり。

 予定より早く動く可能性がある。


◇◇◇


 その時だった。

 海王リヴァイアが巨大な口を開く。

 海が割れる。

 そして。

 その中から宝箱のようなものが現れた。


「持っていけ」


 俺は眉を上げる。


「何だそれ」


「モルドを倒した報酬だ」


 意味が分からない。

 倒した相手の仲間から報酬を貰う。

 普通ならあり得ない。

 だが七王は普通じゃない。

 箱を開く。

 次の瞬間。

 システムが反応した。


【王級因子】


【海王因子】


【獣王因子】


 全員が固まる。

 フィリアが悲鳴を上げた。


「また!?」


 当然だった。

 王級因子。

 しかも二つ。

 オークキング一人であれだけ強くなった。

 それが二つ。

 意味が分からない。


「使え」


 フェンリルが言う。


「強くなれ」


「神界軍を潰すならな」


 俺は笑った。

 面白い。

 本当に面白い。

 七王同士で戦争しているくせに、神界になると協力する。

 気に入った。


「貰っておく」


 俺は即答した。


◇◇◇


 帰還後。

 魂炉が激しく反応していた。

 王級因子。

 二種類。

 しかも七王級。

 今までの因子とは格が違う。

 そして。

 スイとリリスも理解していた。


「また進化ですね」


 リリスが笑う。

 スイも嬉しそうだった。


「強くなる!」


 間違いない。

 なる。

 そして。

 その直後。

 世界樹が大きく揺れた。

 今までで最大の反応だった。


【世界樹反応】


【神界観測】


 全員が固まる。

 次の瞬間。

 空の向こう。

 見えないはずの場所から。


 何かがこちらを見ていた。

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