表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/80

第70話 第一の王

【保有DP:40,420】


【侵食率:7.5%】


【ダンジョンランク:B】


【階層数:5】


 深層主との会話を終えた俺たちは、再び第五階層へ戻っていた。


 地下世界。

 七王。

 そして番人。

 情報は増えた。

 だがやることは変わらない。

 強くなる。

 喰う。

 支配する。

 そのために進む。

 ただそれだけだった。


「七王全員が敵じゃない」


 フィリアが歩きながら呟く。


「どういう意味なんだろうね」


「そのままの意味だろう」


 俺は答える。


「少なくとも一人は敵対しない」


 あるいは。

 利用できる。

 どちらでも良かった。

 俺は最初から七王全員と仲良くする気はない。

 だが全員と戦う必要もない。

 使えるなら使う。

 使えないなら喰う。

 それだけだ。


◇◇◇


 第五階層を進んで三日。

 ようやく最初の王の領域へ到達した。

 巨大な森林だった。

 どこまでも続く樹海。

 空を覆うような枝。

 地面を埋め尽くす根。

 そして。

 異常な魔力。

 ここ全体が一つの生命体のようだった。


「気持ち悪いですね」


 リリスが警戒する。

 俺も同意見だった。

 森林なのに静かすぎる。

 鳥もいない。

 獣もいない。

 音がない。

 その時だった。

 地面が動く。

 木の根が蠢く。

 次の瞬間。

 無数の樹人が姿を現した。


 百。

 二百。

 三百。


 数が多い。

 だが以前ほど驚かない。

 オーク軍勢の方が多かった。


「ご主人様」


 リリスが笑う。


「片付けますか?」


「ああ」


 次の瞬間。

 戦闘が始まった。


◇◇◇


 結果だけ言えば一方的だった。

 スイが突っ込む。

 樹人が吹き飛ぶ。

 リリスの蜘蛛糸が森全体へ広がる。

 敵が拘束される。

 ブラッドファングが駆け抜ける。

 木々が切り裂かれる。

 以前なら脅威だった軍勢。

 今では足止めにすらならない。

 そして。


 その様子を見ていた存在がいた。


「なるほど」


 森の奥から声が響く。

 女性の声だった。

 柔らかい。

 だが底知れない。


 次の瞬間。


 森全体が震える。

 巨大な木が動く。

 いや。

 違う。

 木そのものが立ち上がった。

 山のような巨体。

 翡翠色の瞳。

 長い銀髪。

 人型の上半身。

 木々で構成された下半身。

 森そのものが意思を持ったような存在だった。


【七王を確認】


【樹界王ユグドラ】


 全員が止まる。

 七王。

 初めて相対する存在。

 オークキングとは比較にならない。

 魔力だけなら英雄を超えている。

 フィリアが息を呑む。


「これが七王……」


 当然だった。

 強い。

 だが。

 深層主ほどではない。

 それも事実だった。

 そして。

 ユグドラは俺を見る。

 しばらく見つめる。

 それから。

 意外な言葉を口にした。


「オークを殺したのはあなたね」


「ああ」


「王国も滅ぼした?」


「ああ」


 数秒の沈黙。

 そして。

 ユグドラはため息を吐いた。


「面倒なのが来たわね」


 敵意ではない。

 呆れだった。

 予想外だった。


「戦わないのか?」


 俺が聞く。

 すると。

 ユグドラは笑う。


「なぜ?」


 逆に聞き返された。

 俺は少し考える。

 確かにそうだ。

 戦う理由はない。

 俺は侵略者。

 だが。

 まだ攻撃していない。


「深層主に聞いたわ」


 ユグドラが言う。

 その瞬間。

 全員が反応する。

 深層主。

 やはり七王と繋がっていた。


「番人は滅多に動かない」


 ユグドラは続ける。


「そんな存在が興味を持ったなら、一応話くらいは聞いてあげる」


 面白い。

 本当に面白い。

 俺は笑った。

 どうやら。

 最初の七王は敵ではないらしい。

 少なくとも今は。

 そして。


 その会談が。

 地下世界全体を揺るがす情報をもたらすことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ