表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
61/80

第61話 英雄狩り

【保有DP:2,380】


【侵食率:5.6%】


【ダンジョンランク:C】


【吸収ダンジョン数:3】


 崩れた砦の中央。

 黒槍のヴァルグは一人で立っていた。


 こちらは総力戦。


 スイ。

 リリス。

 ブラッドファング。

 シャドウメイジ。

 ゴブリン戦士部隊。

 コボルト部隊。


 それでも圧倒されていた。

 黒槍が振るわれる。


 轟音。


 スイの身体が吹き飛ぶ。

 地面を何度も跳ねながら転がった。


「いたたた……」


 立ち上がる。

 だが傷は深い。


 エルダースライムへ進化してから受けた最大のダメージだった。

 続けてブラッドファングが襲い掛かる。


 背後。


 死角。


 完璧な奇襲。

 だがヴァルグは振り返らない。

 槍の石突きだけで迎撃した。


 衝撃。


 ブラッドファングの身体が浮く。

 再び吹き飛ばされる。

 それでも死なない。

 以前とは違う。

 確実に強くなっている。

 だが相手が悪かった。


「これが英雄級……」


 フィリアの顔色が青い。

 無理もない。

 今までの敵とは別格だった。

 そしてリリスの蜘蛛糸。


 数百本。


 視界を埋め尽くす銀糸。

 普通なら逃げ場はない。

 だがヴァルグは僅かに身体を捻っただけだった。

 糸が空を切る。


 当たらない。

 いや。

 当てさせない。

 技術が異常だった。


「凄いな」


 思わず感心する。

 強い。

 本当に強い。

 だが。


 戦いながら俺は違和感も感じていた。


 息遣い。

 動き。


 筋肉の使い方。

 少しずつだが重くなっている。

 当然だった。

 人間だからだ。

 魔物ではない。


 無限に戦える存在ではない。

 そして。

 再生もしない。

 そこへ気付いた瞬間、勝ち筋が見えた。


「スイ」


「うん!」


「毒を入れろ」


 スイが笑う。

 すぐ理解したらしい。


 正面から突撃する。

 また吹き飛ばされる。

 だが今度は違った。

 身体の一部を切り離していた。


 小さなスライム片。

 それがヴァルグの腕へ付着する。


 ほんの一瞬。


 本当に僅かだった。

 だが十分だった。

 毒が入る。


 ヴァルグの眉が動く。

 初めてだった。

 明確な変化。


「なるほど」


 ヴァルグが呟く。


「そう来るか」


 そして再び動こうとする。

 その瞬間。


 シャドウメイジが魔法を放った。


 黒い霧。

 幻惑。


 一秒。

 いや半秒。

 それだけだった。

 だが十分だった。


「今!」


 リリスが叫ぶ。

 蜘蛛糸が飛ぶ。

 今度は外れない。


 腕。


 脚。


 胴体。


 数十本の糸が絡み付く。

 完全拘束ではない。

 だが動きは鈍る。


 そこへ。


 ブラッドファングが飛んだ。

 今までで最速。

 進化後最高速度。

 ヴァルグも反応する。

 槍を構える。

 だが一瞬遅い。


 毒。

 幻惑。

 拘束。


 積み重ねた結果だった。

 牙が肩へ食い込む。

 血が飛ぶ。


 そして。


 スイが追撃した。

 巨大化した拳が叩き込まれる。

 轟音。

 地面が陥没する。

 ヴァルグが膝をつく。

 初めて。

 戦闘開始から初めてだった。


 静寂。


 誰も動かない。

 そしてヴァルグはゆっくりと笑った。


「なるほど」


 血を吐きながら。

 それでも笑う。

 視線が俺へ向く。


「魔王か」


 次の瞬間。

 ブラッドファングが喉元へ牙を突き立てた。

 決着だった。


 英雄候補。


 黒槍のヴァルグ。


 王国最強クラス。


 その身体がゆっくりと崩れ落ちる。

 フィリアが言葉を失う。

 リリスも無言だった。

 スイだけが嬉しそうに飛び跳ねている。


「勝った!」


 その声と同時に。

 システムが反応した。



【英雄候補を撃破】



【高品質魂を確認】



【施設化適性:極大】



【魂を保存しますか?】



 俺は迷わない。


「保存」


 光が舞う。


 ヴァルグの魂が魂炉へ吸い込まれていく。

 英雄候補ですら施設になる。

 なら。


 王国も。


 英雄も。


 いずれ全て俺の糧になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ